◇27日 「第74回安田記念」(G1・6月2日・東京・芝1600メートル)展望

 春のマイル王決定戦に今年は香港馬2頭が参戦する。強力な外国勢を迎え撃ち、主役の座を譲らないのはセリフォスだ。昨年はドバイ遠征後の初戦で2着に好走したが、今年は香港遠征後に前哨戦のマイラーズCを使ったことで状態は昨年以上。現役最強マイラーが強敵を蹴散らし、実績ある府中で復権へ―。2つ目のG1タイトルを手にする。

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 強力な香港コンビの来襲にもマイル戦では負けられない。現役最強マイラーのセリフォスが、堂々と立ちはだかる。前走のマイラーズCは中団の内をロスなく運び、最後までしっかり伸びて2着。昨年暮れの香港マイル(7着)後の帰国初戦できっちり力を示していた。福永助手は「万全の仕上がり状態にまではなく、本調子手前とみていましたが、地力のあるところを見せてくれました」と振り返る。この中間は在厩で調整を進めて「カイ食いは旺盛でダメージが残った様子も見られません。目標のG1へ向けて順調に立ち上げることができています」と手応え十分だ。

 昨年はドバイターフ(5着)後にぶっつけで臨み、2着と結果を残したが、今年はひと叩きされた確かな効果が感じられる。23日の1週前追い切りでは栗東CWコースで川田を背にエスコーラ(6歳オープン)と併走。2馬身半追走から最後は内に進路を取ると反応良く伸びて同入。7F95秒1―35秒9―11秒2の好タイムをマークした。「川田騎手に乗ってもらって感触を確かめてもらいました。予定通りに調整を進められています」と順調さをアピールする。

 デビューからここまで13戦のうち12戦がマイル戦。府中のマイル戦は22年に富士S勝ちもあり、実績は十分。「折り合いや精神面のコントロールの難しさを見せるところも、いい雰囲気でレースに臨むことで、うまくクリアして好結果が得られることを期待します」と見通した。22年マイルCS以来となる2つ目のG1タイトルへ。盤石の態勢が整った今回は昨年の雪辱を果たし、改めて最強マイラーの座を確固たるものにしてみせる。