第47回講談社漫画賞・少女部門(2023年度)を受賞した蒼井まもるの『あの子の子ども』が、主演に桜田ひより、共演に細田佳央太を迎えドラマ化。カンテレ・フジテレビ系にて6月25日より毎週火曜23時に放送されることが決定し、桜田、細田らのコメントが到着した。

 本作は、蒼井まもるの同名少女漫画をドラマ化。「別冊フレンド」にて連載中の原作漫画は、第47回講談社漫画賞・少女部門(2023年度)を受賞、アメリカの漫画賞2024年アイズナー賞[ティーン向けベスト出版]に最終ノミネートされた。恋愛の先にある10代の妊娠を描く作品として注目を集め、コミックは現在8巻まで発売されている。

 “高校生の妊娠”をテーマに、妊娠が発覚したことで日常がガラリと変わってしまった高校2年生カップルの姿を描く本作。カンテレドラマ初主演となる桜田が主人公・川上福(かわかみ・さち)を演じ、その恋人の月島宝(つきしま・たから)を細田佳央太が演じる。桜田と細田は初共演となる。

 高校2年生の福と、幼なじみの恋人・宝。2人の関係は親も公認で、別々の高校に通いながら穏やかな青春時代を過ごしていた。やがて、自然な流れで2人は、恋人として愛し合い、結ばれる。しかし、ある日、避妊に失敗してしまい、その後、体の異変に気が付き福の妊娠が発覚する。決してなかったことにできない現実に悩み、葛藤する2人。本当に子どもを産んで育てられるのか?―そんな根源的な問いを突き付けられた“まだ子ども”の福と宝は?

 桜田が演じる福は、ごく普通の高校2年生。幼なじみの恋人・宝と過ごしたり、友人たちと遊んだり、楽しみにしているドラマや漫画があったりと、平凡ながら不満はない幸せな日々を送っていた。しかし、妊娠という現実を前に、悩み、葛藤し、もがきながら、自分なりの未来を選んでいく。

 福役の桜田は「このお話をいただいた時は、素直に嬉しい気持ちと、自分が先頭に立って伝えていこうという使命感を感じました。皆さんそれぞれ感じ方があって、どれをとっても正解でもないし、不正解でもありません。演じる私たちも色んなことを張り巡らせて創っていきますので、皆さんの中でも考えるものが生まれたり、人と話す内容ができたり、横と横のつながりができたりと、この作品をきっかけに色んなことを感じとっていただけたら嬉しいです」と意気込みを明かす。

 細田が演じる宝は、福の幼なじみの恋人で、他校に通う高校2年生の陸上部員。駅伝の強豪大学に進学することを目標に、日々、部活に励んでいる。女手一つで自分を育ててくれ、部活の費用も出してくれている母親に心から感謝している。学校や部活で良い成績を出すことで母親が喜んでくれることを自身もうれしく感じており、いつからか、どう答えたら相手が喜ぶかを考えてしまう性格に真面目で優しく、福のことを心から大切にしているという役どころだ。

 宝役の細田は「悩んでいたり不安な気持ちがあったりする男の子にも、こういう選択肢があるんだよ、こういうことができるんだよ、といった事を自分なりに男性目線でも伝えられるよう、原作が核にしているところを大切に、とにかく全力で向き合っていきたいと、やる気に満ちています」と想いを語る。

 原作者の蒼井は、「桜田ひよりさんと細田佳央太さんには難しい役を引き受けていただき恐縮しておりましたが、この漫画においてのキャラクターを深く掘り下げ、分析し、役割について考えてくださっていることを伺い、今はただただ感謝しています」とコメントを寄せる。

 また、脚本は『舟を編む〜私、辞書作ります〜』『しずかちゃんとパパ』『ウソ婚』などを手掛けた蛭田直美、音楽は『ひきこもり先生』などを手掛けたharuka nakamura、監督は『たそがれ優作』『往生際の意味を知れ!』などを演出したアベラヒデノブがチーフを務める。

 火ドラ★イレブン『あの子の子ども』は、カンテレ・フジテレビ系にて6月25日より毎週火曜23時放送。

 桜田ひより、細田佳央太、原作者・蒼井まもる、プロデューサー・岡光寛子のコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■桜田ひより

 このお話をいただいた時は、素直に嬉しい気持ちと、自分が先頭に立って伝えていこうという使命感を感じました。皆さんそれぞれ感じ方があって、どれをとっても正解でもないし、不正解でもありません。演じる私たちも色んなことを張り巡らせて創っていきますので、皆さんの中でも考えるものが生まれたり、人と話す内容ができたり、横と横のつながりができたりと、この作品をきっかけに色んなことを感じとっていただけたら嬉しいです。

 原作を読んで、演じる福の中にあるどこか言葉では表しきれない表情の変化や、それを察知する周りの人たちに胸を打たれました。そして、相手役が細田さんと聞いた時は、大丈夫だなという安心感が自分の中に芽生えました。まだ一緒に過ごした時間は少ないですが、芯があって、思っていることを言葉にしてくださる方ですし、どんなふうになるんだろうなという想像が膨らむ脚本をいただいたので、細田さんと一緒にその場の空気感や関係性を出していけたら、きっと素敵なシーンになるだろうなと思います。この作品に携わるすべての方の思いが少しでも皆さんに届くよう、大切に大切に創り上げます。よろしくお願いします。

■細田佳央太

 福と宝の高校生カップルの関係性が微笑ましく、学生である皆さんにはより近く感じていただけると思いますし、このドラマを見て同じ悩みを持っている方の背中を押すきっかけになったらそれ以上のことはありません。親世代の方にも見ていただきたいですし、ドラマを見て家族間での会話が増えたら嬉しいなと思います。演じる宝とは、育ってきた境遇が似ている部分はありますが、格好良くてしっかりした男の子なので、どうやって価値観を自分とすり合わせていくか考えています。悩んでいたり不安な気持ちがあったりする男の子にも、こういう選択肢があるんだよ、こういうことができるんだよ、といった事を自分なりに男性目線でも伝えられるよう、原作が核にしているところを大切に、とにかく全力で向き合っていきたいと、やる気に満ちています。

 主演の桜田さんとは初共演ですが、彼女のお芝居に負けないよう、自分が遅れを取らないように頑張ります。何より一緒にお芝居をするのが楽しみです。スタッフさん含めて撮影前から熱量の高さを感じているチームで、こういった難しくも繊細なテーマを描くのに皆が同じ方向を向いています。よりよい作品にして皆さまにお届けできるよう精一杯頑張りたいと思いますので、ぜひ放送を楽しみにしていてください。

■原作者・蒼井まもる

 桜田ひよりさんと細田佳央太さんには難しい役を引き受けていただき恐縮しておりましたが、この漫画においてのキャラクターを深く掘り下げ、分析し、役割について考えてくださっていることを伺い、今はただただ感謝しています。実写というものはとてつもない力を持っていると認識しています。その力がどのように作用するか想像を巡らせながら、一視聴者として放送を待ちたいと思います。

■プロデューサー・岡光寛子

 若年層が気軽に触れられる少女漫画で、恋愛の先の性、そして高校生の妊娠というテーマを真摯に描く原作に感銘を受け、「ラブ」をテーマとしている火ドラ★イレブン枠で、ぜひドラマ化したいと思いました。突然ふりかかった“なかったことにできない”現実に、もがき、葛藤し、得体の知れない感情に揺れ動く高校生たち。主演は、持ち前の愛くるさと底力の凄み、独特の温度感の儚さに心惹かれる桜田さん。共演は、やさしさと強さを兼ね備え、あらゆる人の心に刺さるお芝居で魅了する細田さん。お二方が演じる福と宝と一緒に悩みながら、大切に丁寧に紡いでいきたいと思います。ひっそりと、でも繰り返し観てもらえるような、誰かの密かな宝物みたいなドラマにしたいです。