旧ジャニーズ事務所(STARTO ENTERTAINMENT)の羽村仁成(はむら・じんせい=16)に対する期待の声が高まっている。3月8日に公開された映画「ゴールド・ボーイ」では、その演技力が主演の岡田将生から絶賛された。

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 中国で大ヒットとしたネットドラマ「隠秘的角落(The Bad Kids)」の原作である紫金陳(ズー・ジェンチン)のミステリー小説「悪童たち」を日本で映画化したのが「ゴールド・ボーイ」だ。

 金子修介監督がメガホンを取り、主演の岡田はじめ黒木華、北村一輝、江口洋介といった主役級が居並ぶ中、殺人を犯した岡田を脅迫し追い詰めていく少年の一人を演じたのが羽村だ。公開記念の舞台あいさつで、岡田はこう語っていた。

「羽村君の演技の表情が素晴らしかった。僕にはできない。この映画の主人公は3人の子どもたちです。3人の代表作になってほしいと思っています」

 リップサービスとしても、なかなかここまでは褒めないだろう。業界関係者も絶賛する。

「上手いと言うよりも、エグい演技でしたね。昨年は綾瀬はるか主演の『リボルバー・リリー』でメインキャストの一人として映画初出演。元敏腕スパイの綾瀬に守られるか弱い少年役でしたが、今回は打って変わった役を演じました。彼はまだジュニア(旧ジャニーズJr.)に所属するGo!Go!kidsのメンバーで、グループはまだデビューもしていません。ところが、役者としては早くも事務所の先輩である二宮和也ばりの逸材と言われています」

「リボルバー・リリー」にはSixTONESのジェシーも敵役で出演していたが、羽村のバ−ター出演ではなかったのだろうか。

ジャニーズとの縁

「行定勲監督がオーディションで羽村に一目惚れしたそうです。『彼には品がある。静かな佇まいの中に芯の強さを感じた』と語っていました」

 映画出演はまだ2本だが、ドラマの出演はやけに多い。

「実を言うと、彼は昔、別の芸能事務所で子役として活動しており、NHKの大河ドラマ『おんな城主 直虎』にも出演しています。ジャニーズに入ったのは2019年ですが、それまでにジャニーズの先輩たちとは数々の共演がありました」

●13年「ドラフト緊急生特番『お母さんありがとう』」(TBS)司会:中居正広(羽村は再現ドラマに主演
●13年「49」(日本テレビ)主演:佐藤勝利(Sexy Zone)
●15年「お兄ちゃん、ガチャ」(日テレ)主演:岸優太(King & Prince)
●16年「家政夫のミタゾノ」(テレビ朝日)主演:松岡昌宏(TOKIO)
●17年「貴族探偵」(フジテレビ)主演:相葉雅紀(嵐)
●17年「新宿セブン」(テレビ東京)主演:上田竜也(KAT-TUN)
●17年「悦ちゃん〜昭和駄目パパ恋物語〜」(NHK)出演:岡本健一

 偶然とは思えぬほど、ジャニーズとの共演が多い。羽村自身もそう感じていたことをインタビューで語っている。

ドラマでも引っ張りだこに

《6歳の頃からドラマに出させてもらうようになって、ジャニーズの人たちと共演する機会がすごく多かったんです。松岡(昌宏)クンとか相葉(雅紀)クンとかJr.の人たちとか。で、子役は終わっても芸能界続けたいなと思って、親とも相談して、ああいうかっこいい人たちと一緒に仕事できたらとジャニーズに応募することにしたんです。ダンスとかやってみると、これがまたすごく楽しかったんですよ》(日刊スポーツ23年8月12日)

 ジャニーズ入りしてからは、21年の「俺の家の話」(TBS)で長瀬智也(TOKIO)の息子役なども演じた。

「ジャニーズから独立する人は増えましたが、別の事務所を経てジャニーズ入りするのは異例と言っていいでしょう。すでに役者として注目されているので、このままだとCDデビューする前に単独で映画賞など取ってしまうかもしれません」(前出の業界関係者)

「リボルバー・リリー」の演技で、今年3月の日本アカデミー賞・新人俳優賞にノミネートされなかったのが不思議なほどだ。

「公開が昨年8月で、新人俳優賞の選定は今年1月でしたからね。まだジャニーズ問題が世間を騒がせていた頃なので、それが影響した可能性もあります。来年のアカデミー賞には入ってくると思いますよ」(同)

 今後はジャニーズから独立した生田斗真や風間俊介のように、グループではなく役者としてやっていく手もあるだろう。

「演技力があるので、事務所としてもそう考えているかもしれません。もしグループを組んだとしても、俳優をメインでやっていくのではないでしょうか。『リボルバー・リリー』や『ゴールド・ボーイ』を見たドラマスタッフから引っ張りだこになるはずです。来年あたりには間違いなく、ゴールデンの連ドラでメインを張っていると思います」

デイリー新潮編集部