芸能プロダクションで営業の仕事をしながら、自らもタレントとして活動する池田桃子(31)が初写真集『桃色営業』(ワニブックス)を発売した。スナックのママ、演歌歌手など多岐に渡り活躍をしている彼女の心境や、今後の目標を聞いた。

 昨今「パラレルキャリア」や「副業」と本業以外の仕事に取り組むことが広まりつつある。池田の場合は、本業である芸能事務所「つばさレコーズ」のプロモーターにグラビア活動、演歌歌手にスナックママと実に“四刀流”をこなすのだから、時代の寵児と言えるかもしれない。

 もともと歌手としてデビューした後に、芸能事務所の裏方に転身。モデルのマネージャーとしてバラエティーに出演すると、2021年には週刊プレイボーイでグラビアデビューまで果たしてしまう。昨年にはテレビ東京系「じっくり聞いタロウ」のダイエット企画に参加し、10キロのダイエットに成功。ついたあだ名は「出たがり素人」だ。

 そのダイエット企画がきっかけで5月17日に初写真集「桃色営業」を発売することになった。あくまで本業はプロモーターということで一般人と言っていいのだが、初の写真集では大胆な露出を披露している。池田自身は脱ぐのに全く躊躇はなかったという。

「私自身はどこまで脱いでもいい覚悟だったんです。人生でもう写真集を出すことはないと思っていたし、ダイエット企画の直後なので自分の体にも自信があった。ただ事務所の社長から『うちは女子高生のタレントも扱っているし、イメージ的にも丸出しはするなよ』と言われました(笑)。なので下品にやりすぎてドン引きされないよう気を使ってもらいました」

不倫がテーマだが「愛人」にはあらず

 撮影は都内、熱川温泉、池田の地元の北九州で撮影され、不倫に溺れた女が都会から離れ、田舎に帰りスナックで働くまでの半生を描いている。不倫をテーマにした写真集では通常ならかつての壇蜜、橋本マナミのような「愛人キャラ」を押し出すところだが、あえてそうしなかった。

「最初は愛人っぽいテーマにしようという話も上がったのですが、私がそれは無理かもしれないと言って。クラブっぽさとか出せないので(笑)。演じられるとしたら小料理屋の女将かスナックのママ。お高いイメージでなく破滅の道に行くんです」

 北九州での撮影は池田の提案で、自ら現地のフィルムコミッションと交渉した。ただ地元愛というだけではなく、マーケティング観点からの提案だった。

「北九州で撮影して地元の人にも買ってもらいたいと思ったんです。私は東京で福岡県人会とか北九州の会とかの集まりに行ってよく飲むんですけど、おじさんたちの熱量がすごいんですよ。地元の福岡で何かイベントをやりますとなると、来てくれるかなと思って(笑)」

表紙はホテルで、2人きりで…

 休肝日はほぼないといい「終電で帰れた日は飲んでいない」と語るほどの大の酒好き。趣味はスナック巡りで、間借りしたスナックで自らがママとなるイベントを定期的に開くほどで、過去のテレビの出演もプロデューサーとの“飲みニケーション”から決まったものだ。

 今回の写真集の撮影でも酒が活きたという。

「写真集の表紙に使われている写真は渋谷・道玄坂のホテルでカメラマンと2人きりで撮りました。スタッフと懇親会をした後、ホテルに行ったんですが、お酒も結構飲んでいたから、めちゃくちゃ自然に撮れてます。ホテルでも2人で8本くらい開けてますし、すごくハッピーな感じで(笑)。他のシーンの写真とは毛色が明らかに違うんですがお気に入りで、表紙も結局この時の写真にしていただいています」

 本職の立場から見た写真集のプロモーションポイントはどこだろう。

「まずは素人ものですよっていう(笑)。最近素人ものがちょっと流行ってますよね。あとは露出の度合い的にもいけているというのもあります。ハウススタジオで撮っているバストトップが透けているカットも綺麗にやっていただけたなって思っています。体は張ってます!」

 写真集に加え、5月19日には配信限定シングル「私が仕切ります」で演歌歌手デビューまで果たす。実はこのデビューも営業での縁によるものだ。

「マネージャーとしてご挨拶をした方が、演歌の事務所に転職されていたんです。その人から久しぶりに連絡があったと思ったら『実は今演歌をやってまして。興味ありますか?』と言われて。私、スナックがめちゃくちゃ好きですが、演歌とスナックって相性いいじゃないですか? 面白そうだなと思って受けました」

 写真集と同様に、こちらも営業プランを自身ですでに考えている。

「TikTokでバズらせてという売り方ではなくて、路上ライブであったりどさ回りであったり、目の前の人に向けた営業がいいだろうなと思ってます。日本全国をチャリで1周した人が昔いたじゃないですか。そういう方がキャラクター的にも合っているかなって思います」

 写真集のリリースに歌手デビュー。どちらも多くのタレントが望んでもやれないものだ。本来はタレントを売り込む立場だが、どんな思いを感じているのだろうか。

「何でも楽しもうと思うようにしています。私はやっぱり営業の仕事がすごく好きなんですけど、いろんなメディアに出ることで“変なことをやっているつばさレコーズの人”と思われるようになって、そうすると営業先でのアイスブレイクがいらないんですよ。うちの会社は社長の吉永(達世)だったり、BiSHを作った(渡辺)淳之介さんだったりこれまでも破天荒な先輩が多かったので、みんな寛容で。むしろ止める人がいないので、自由にやれるところまでやってみようと思います」

 もう一度タレント復帰を、とも考えていない。

「やっぱり、タレントと営業どっちもの目線がある方が人生楽しいって思ったので。普通に仕事が好きなので、時期によってバランスを変えながら全部やるのがいいなと思ってます。グラビアについてですか。これが最後くらいの気持ちでは臨んでいますが、もしオファーがいただけたら考えます!」

 なお、この日着たピンクのスーツはあくまで取材用で、普段の営業では着てないということだった。

徳重龍徳(とくしげ・たつのり)
ライター。グラビア評論家。大学卒業後、東京スポーツ新聞社に入社。記者として年間100日以上グラビアアイドルを取材。2016年にウェブメディアに移籍し、著名人のインタビューを担当した。現在は退社し雑誌、ウェブで記事を執筆。個人ブログ「OUTCAST」も運営中。Twitter:@tatsunoritoku

デイリー新潮編集部