フジテレビ系アニメ「ちびまる子ちゃん」で主人公・まる子の声を34年間務め、3月4日に63歳で亡くなった声優・TARAKOさんのお別れ会「TARAちゃんありがとうの会〜たいせつなきみへ〜」が15日、都内で行われた。関係者向けの第一部では、声優仲間や関係者ら約800人が参列。まる子のおじいちゃん・友蔵役の島田敏、父・ひろし役の屋良有作、初代ナレーションで21年に引退した元声優・キートン山田さんら“まる子ファミリー”が集結し、別れを惜しんだ。

 さくら家のようなアットホームな雰囲気でTARAKOさんを送った。

 祭壇は「ちびまる子ちゃん」の美術監督・野村可南子氏がデザインを考案した。バラ、ダリアなど5000本の花で形作り、21年8月に撮影されたTARAKOさんの遺影を中央に配置。花畑の中でギターを奏でる故人を囲み、まる子、そらジローら故人が息を吹き込んだキャラクターたちが音楽を楽しんでいる世界観を表現した。会場には「アララの呪文」「ゆめいっぱい」など、ちびまる子ソングが流された。

 ちびまる子放送開始の90年から31年間、ナレーションを務めたキートンさんが弔辞を読んだ。最後に故人と交わした昨年12月のメールは、いつもより短く絵文字もなかったという。それから数カ月後の訃報に「うろたえました。気付けば、庭で雑草を抜きながら『何でだ。何でだ』って言っていました」と悔やみ、最後はおなじみの口調で「まる子よ。順番が違うだろ。友蔵が先である。後半へ続く」と“惜別のナレーション”を贈った。

 第一部のラストでは、祭壇の前に“まる子ファミリー”が集結。祖父・友蔵役の島田が「TARAちゃんや!本当に本当にお疲れさまでした。TARAちゃんや、見守ってておくれ〜!」と天を仰ぎ、父・ひろし役の屋良は「TARAちゃん、頼んだよ。そしてTARAちゃん。たくさんたくさんありがとな〜」と優しい声で呼びかけた。

 ちびまる子ちゃんで愛され続け、現在もオープニング主題歌に起用されている「おどるポンポコリン」を会場一体となって大合唱。4月から二代目まる子を担当している声優・菊池こころは、こぼれ落ちる涙をハンカチで押さえた。TARAKOさんとの思い出を脳裏に浮かべ、顔を見合わせながら思い思いに歌詞を口ずさんださくら一家。笑いあり、涙ありで末っ子の“まる子”を送り出した。

 ◇父・ひろし役の屋良有作「おーい、まる子。TARAちゃん、たくさん、たくさんありがとうな。また会いたいな」

 ◇おじいちゃん・友蔵役の島田敏「まる子や。え〜、そっち行くのかい。まる子、待ってくれよ〜」

 ◇おばあちゃん・こたけ役の佐々木優子「まる子や、私もね、もうすぐそっちに行くからね。温めといておくれ。また飲もうね。孫と飲んじゃダメかね。またね」

 ◇お姉ちゃん・さきこ役の豊嶋真千子 (目に涙を浮かべ)「まる子、大好きだよ」