映画『明日を綴る写真館』の完成披露舞台あいさつ

 5人組グループ・Aぇ! groupの佐野晶哉が23日、都内で行われた映画『明日を綴る写真館』(6月7日公開)の完成披露舞台あいさつに、主演の平泉成、共演の佐藤浩市、市毛良枝、メガホンをとった秋山純監督とともに登壇した。

 あるた梨沙原作の同名漫画の映画化した本作。さびれた写真館を営む無口なカメラマン・鮫島(平泉)の写真に心を奪われた気鋭カメラマン・太一(佐野)は、華々しいキャリアを捨て、弟子入りを志願する。家族とのコミュニケーションすら避けてきた太一は、訪れる客と丁寧に対話を重ね、カメラマンと被写体という関係を超えてまで深く関わる鮫島の姿に驚きを隠せない。人々の抱える悩みや問題のために必死に奔走する鮫島に振り回されながらも、自分に足りないものに気付き始める太一。同時に、鮫島とその家族にも目を背けてきた“想い残し”があることを知る。

 ステージに登壇した佐野は「期待の次世代俳優でございます」と予告編で使われているフレーズを用いてあいさつして笑いを誘いつつ、「大ベテラン、大ベテラン、大ベテラン、佐野でめちゃめちゃ緊張しております」と恐縮。そんな佐野は、58歳の年の差がありながら平泉の相手役を見事に演じ切ったが、佐野の俳優としての魅力を聞かれた平泉は「すてきだったですね。その前にCDデビューおめでとう」と祝福し、観客から大きな拍手を浴びて気をよくしている佐野に、佐藤は「やっとCDデビューなの? 俺より遅いんだ」とコメントして会場を沸かせた。

 改めて、佐野の俳優としての魅力について平泉は「豊かな感性がありますね。そして僕が1番好きなところは、こういうところでも非常に自然に立っていますよね。どんなお客さんがいても普通に立っている。それは素直なんですよ。そして柔らかい。俳優にとって柔らかさが1番大切な問題なんですけど、佐野くんはいいなって思ったんです」と絶賛。加えて「けっこうかわいい顔してるって思いましたね。藤沢周平なんかの小説で時代劇をやってもらったらいいものができるんじゃないかな」と提案し、佐野は「挑戦したいです!」と目を輝かせた。

 そして、共演2作目となった佐藤は「彼の役って意外と難しくて、自分の置き場所が見えにくい役なんだけど、うまい具合に彼の浮遊感と合致したところがあって、それは興味深く見えましたね」と打ち明け、市毛は「成さんを見つめる目がキラキラしていて、自分が持っているフィールドと、成さんをいいと思った心の動きとか、黙ってフッとしているニュアンスから語りかけていて、それはすごくかっこいいなと思いました」と褒めた。

 大御所俳優陣からのベタ褒めに、佐野は「うれしすぎます。本当にしあわせです」と目を輝かせ、前作の撮影が終わった際に佐藤から「芝居好きだろ。もっと芝居した方がいいよ」って言われたそうで、「それが自信につながって今もお芝居ができているので、こうやってすてきな方たちとご一緒できて、すてきな映画が撮れて本当にしあわせです」と声を弾ませた。ENCOUNT編集部