強打者たちが担う「2番バッター」に注目

 元プロ野球選手の杉谷拳士氏が、メジャーリーグベースボール(MLB)情報番組『MLB’s ON FLEEK』に出演。その様子がABEMA野球公式YouTubeで25日に公開された。

『MLB’s ON FLEEK』は、多くの日本人選手や世界最高峰の選手が活躍するMLBの見どころを余すことなく届ける情報番組。大谷翔平や山本由伸が所属するドジャースについての基礎知識や、ダルビッシュ有、松井裕樹、今永昇太、鈴木誠也などがプレーするナショナル・リーグの勢力図、MLB特有のルール“ピッチクロック”など、ビギナーから玄人まで幅広く楽しめるテーマで今のMLBをひも解いていく。

 このたび公開された#6では、大谷をはじめとした強打者たちが担う「2番バッター」に注目。プロ野球での2番打者は「つなぎの役割」とされる一方で、MLBでは「チーム最強バッター」が据えられている。この“2番最強説”がMLBで定着したキッカケとなった選手を、天の声を務めるMLBジャーナリストのAKI猪瀬氏が紹介した。

 猪瀬氏は「2013年にロサンゼルス・エンゼルスのマイク・トラウト選手が2番打者に固定され、その翌年にはチームの総得点がMLB全体で1位となった。2番打者は打席が多く回ってくることもあり、強打者を置くことがトレンドとなった」と解説した。この話に、番組MCを務めるお笑いコンビ・さや香の新山は「プロ野球ではなぜその説がはやらない?」と質問。ゲストの杉谷氏は「プロ野球とMLBの戦い方は違う。MLBは下位打線でもホームランや長打を打つ選手がいるけど、プロ野球の下位打線はそこまででもない。それに、プロ野球では最初の1点を大事にする野球をしているので、確実性のある3・4番にチャンスをつなぐことができる選手を2番に置いているんだと思う」と答えた。

 また、昨シーズンにおけるMLBとプロ野球の打順別OPS(出塁率と長打率を足し合わせた値)のデータを比較すると、MLBは2番打者のOPSが全打順で1番高かったことに対し、プロ野球では6番目という結果に。さらに、昨季の2番打者のバント数を比べると、プロ野球は245に対し、30球団あるMLBはわずか28。新山は「プロ野球はこのスタイルが続いていくんですかね?」と尋ねると、杉谷氏は「まだまだ続きますね」と断言。新山は「読売ジャイアンツの坂本勇人選手が2番を打つなど、プロ野球でもちょいちょいMLBのスタイルを取り入れているけど……?」と再び疑問を浮かべると、杉谷氏は「長続きはしないってことですよね」と相づちを打った。

 さらに、プロ野球が誇る最強打線として、23年WBC決勝での侍ジャパンのオーダーを振り返ると、2番打者は昨シーズン打撃二冠に輝いたソフトバンクの近藤健介。日本ハムで近藤とチームメイトだった杉谷氏は「栗山英樹監督が1番信頼しているバッターでもあるし、長打力はもちろん、カウントを粘り、状況を読んでつなぐこともできる」と大絶賛した上で、「近藤選手の後には大谷選手が控えているので、初回でチャンスが一気に広がる。1点どころか2点3点を取る打線だと感じた」と解説。これに、石井は「MLB的な感じやったんや」と驚きの表情を見せた。

 そのほかにも、石井は「“2番最強説”を芸人で例えたらどうなるんやろ?」とニヤリ。新山は「ひな壇に明石家さんまさんが座っているようなもんや」と返すと、杉谷氏は「それは最強っすね!」と目を輝かせた。一方で、石井は「他のひな壇芸人が何もできひんくなるやん!」とツッコミを入れた。

 また、MLB初心者の石井に対し、新山は「この番組収録を重ねていく中で、石井にとってのスター選手は生まれた?」と質問。石井は「日本人MLB選手にとって、野茂英雄さんはスゴい選手なんだと改めて感じた」とほれぼれ。また、杉谷氏は「僕がMLBを好きになったキッカケは、ダルビッシュ有投手」と元チームメイトの名前を挙げ、「2012年にダルビッシュ投手がテキサス・レンジャーズに移籍した時に、本当にカッコイイと思った。それからMLBの球団や、ダルビッシュ投手のチームメイトを調べた」と明かした。新山は「チームメイトやけど、ファンでもあったってことです?」と問いかけると、杉谷氏は「ただただ大好きでした(笑)」と照れ笑いを浮かべた。ENCOUNT編集部