吉岡里帆、森崎ウィンら新キャスト発表

 KinKi Kidsの堂本剛が主演を務める映画『まる』(10月公開)に、俳優の綾野剛、吉岡里帆、森崎ウィン、小林聡美が出演することが27日、分かった。堂本と綾野は初共演となる。

 同作は、1997年に公開された『金田一少年の事件簿 上海魚人伝説』以来、27年ぶりに主演を務める堂本と、『彼らが本気で編むときは、』(17年)で第67回ベルリン国際映画祭・観客賞&審査員特別賞を受賞するなど、国内外で高い評価を得る荻上直子監督との初タッグ作品である。

 堂本が演じるのは、美大卒だがアートで身を立てられず、人気現代美術家のアシスタントをしている男・沢田。独立する気配もなければ、そんな気力さえも失って、言われたことを淡々とこなすことに慣れてしまっている。ある日、通勤途中に事故に遭い、腕の怪我が原因で職を失う。部屋に帰ると床には蟻が1匹。その蟻に導かれるように描いた〇(まる)を発端に、日常が〇に浸食され始める奇想天外な物語だ。

 今回発表された新キャストの綾野は、堂本演じる主人公・沢田のアパートの隣人で売れない漫画家・横山を演じる。本作が堂本と初共演であり、「ご一緒したかった」と語る。また沢田と同じく現代美術家のアシスタントとして働く矢島を演じるのは吉岡。そして森崎はミャンマー出身のコンビニ店員・モーを、小林は野心的なギャラリーオーナー・若草萌子を演じる。

 新キャストのコメントは以下の通り。

○綾野剛

「ひとつひとつ祈りを大切に紡ぐ堂本剛さん。ひとつひとつ心の襞を大事に編む荻上直子監督。その無限のキャンバスに全部署の丹精が織り込まれていく。とっても変梃で健やかで、鮮やかで眩しくて。たまらなく愛おしい“まる”が誕生しました」

○吉岡里帆

「荻上組、念願の初参加です。昔から監督の作品のファンで、以前荻上さん脚本の作品に参加させて頂いたこともあり、大変嬉しいお誘いでした。監督の作品から感じる丸くて優しい抱擁して貰えるような世界はある種憧れの場所でした。しかし、ここに来て今作の“まる”は新しい荻上作品の風がビュンビュンと吹いているように思います!タイトルとは裏腹にまるく収まろう、まるく関わり合おう、まるく落ち着こう、そういった事とは正反対の“まる”からの脱却、逸脱、と良い意味の裏切りを秘めた作品です。荻上監督のパンキッシュな一面に触れることが出来たのが貴重な体験で楽しかったですし、堂本剛さんとの共演も静かにワクワクとする時間でした。何か収まり良い所から抜け出したいと思っている方にこの作品をぜひ見て頂きたいです」

○森崎ウィン

「荻上監督と堂本剛さんの紡ぐ物語の中で、自分のルーツでもあるミャンマー人青年として生きる事ができ、嬉しい限りです。国を超え遠い地で営む生活。夢や希望だけでは生きていけない現実を目の当たりにしながらも、生きる喜びを味わう。人生に丸をつけるその日まで、どうやって過ごすか、問われているような撮影の日々でした。僕自身も、演じたミャンマー人青年と共に、福徳円満で円満具足な日々に憧れたのかもしれません。是非、劇場でご体験くださいませ」

○小林聡美

「16年ぶりに荻上監督作品に参加させていただきました。演じたのは、物事に意味や価値を求め、狂騒的になっていく私たちの姿を象徴するような、ギャラリーオーナーです。苦み走っています。周りに惑わされず、自分を信じること、表現することは、とても難しいこと。でも、ときには惑わされたり、痛手を負ってもいい。そんな、『まる』という言葉の哲学的な世界観を突き抜けたあたりを、楽しんでいただければと思います」ENCOUNT編集部