三菱自動車は、ヨーロッパ向けのコンパクトSUVである「ASX」のマイナーチェンジを実施。コネクティッド機能や安全機能を強化するなど大幅改良を施し、2024年6月より欧州の一部市場で販売が開始される。

ルノー・キャプチャーのOEMモデル

ASXは2010年から欧州に投入。当初は「RVR」だったが、2023年3月のフルモデルチェンジを機に、アライアンスを組むルノーから供給を受ける「ルノー・キャプチャー」のOEM版に変更されている。

フロント・マスクを一新

今回のマイナーチェンジの目玉は一新したフロント・フェイス。三菱のデザイン・アイデンティティである「ダイナミックシールド」をより強く印象付けるフロント・マスクが与えられた。

バンパー中央部を大胆にブラックアウト化することでダイナミックシールドを強調。さらに立体的で奥行き感のあるサテンシルバーのグリルモチーフを組み込んで一体化することで、ダイナミックで堅牢なムードを放っている。LEDヘッドライトはL字型とスリット状の造形を組み合わせ、洗練されたモダンな雰囲気も漂わせている。

ダイヤモンドカット加工が施されたブラックの18インチのアルミホイールをグレード別に採用。スポーティでたくましい造形になっている。 

三菱初のGoogleを搭載

コネクティッド機能も進化。10.4インチのスマートフォン連携ディスプレイオーディオが新たに採用され、三菱初となるGoogleを搭載。音声で電話やメール、音楽の再生、リマインダーの設定、車内の温度調整などができる「Googleアシスタント」、ナビゲーション機能やリアルタイムの交通情報を享受できる「Googleマップ」、スマホのように音楽やポッドキャストなどのアプリをダウンロードできる「Google Play」も使用できる。また、コネクティッド機能を強化する新開発のモバイルアプリ「My Mitsubishi Motors」も採用された。これによりスマホから駐車位置の確認などが可能となり、利便性を向上させている。

また、安全装備のアップデートも注目点で、駐車可能位置を自動で検知し、車庫入れや前向き駐車、縦列駐車をサポートする「パークアシスト」、車両周囲の障害物などの確認を補助する「アラウンドビュー・モニター」が設定され、駐車時の安全性と利便性を高めている。また、後退時交差車両検知警報システムの「RCTA」をはじめとした予防安全技術が充実し、快適で安心、安心な運転をサポートする。

ルノー自慢のE-テックをラインナップ

搭載されるパワートレインは、フル・ハイブリッド(HEV)、マイルド・ハイブリッド(MHEV)、ガソリン・エンジンの3タイプ。

HEVはアルカナやルーテシアの「E -テック」に搭載されている1.6リッター直4ガソリン・エンジンに駆動用と発電用の2つのモーターとドグクラッチを用いた4×2段の自動MTを組み合わせたもの。駆動用バッテリーは1.2kWhで、バッテリー残量を温存しながら走行する「Eセーブ」モードも新たに採用した。駆動用バッテリーの充電を40%以上に保つことで、EV走行をしたいシーンや急坂など、モーターによるエンジンのアシストが必要なシーンに備えて、電池残量を確保しておくことが可能になる。

ほかにも、を組み合わせるMHEVは1.3リッター直4直噴ガソリン・ターボ+6段MTもしくはデュアルクラッチ式7段自動MT、ガソリン仕様は1.0リッター直3ガソリン・ターボ+6段MTとなる。

新型ASXは、2024年5月からスペインのルノー社バリャドリード工場で生産が開始される。なお、このモデルがRVRの後継になるのかも含め、気になる日本導入は現時点では明らかにされていない。

文=塚田勝弘

(ENGINE WEBオリジナル)