あらゆるものが値上がりしている中で、家計のやりくりにお困りの方も多いのではないでしょうか。   物価高騰の波は「物価の優等生」と呼ばれた卵にまで影響を及ぼしています。   そこで今回は「値上がりを実感する食材ベスト3」と「価格高騰の要因」についてご紹介します。

価格高騰を感じる食材ベスト3!

TOA株式会社が全国の20〜50代の主婦・主夫を対象に行った「スーパーでの買い物に関する調査」によると、値段が上がったと感じる食材は1位「卵」、2位「小麦・小麦製品」、3位「調味料・調味油」でした。
 
これまで「物価の優等生」と呼ばれ大幅な値上げがなかった卵ですが、2022年頃から続く物価高の影響により、アンケートに答えた方の86.2%が価格高騰を感じていたようです。
どれも毎日の食卓に欠かせないものばかりで、家計に与える影響は少なくないでしょう。
 
次のような工夫をすると、物価高でも食費を抑えることができるかもしれません。

●商品ごとに相場を把握して安いときに購入
●クーポンやタイムセールなどを活用する
●買い物リストを作り余分なものは買わない
●安いときにまとめ買いして作り置きを冷凍しておく

食材がないと思っても、買い出しに行く前に冷蔵庫の中を見直すと、1回分の食事くらいであれば意外となんとかなるものです。
 
日常生活における出費の割合が大きい食費ですが、できるだけ安く買い、作り置きなどで食材を無駄にしないなどの工夫が節約につながるでしょう。
 

5年前と比べていくら値上がりした?

前章のアンケート調査で値上がりを感じた上位の食材のうち、卵・小麦粉・食用油は5年前と比べてどのくらい値上がりしているのかを見ていきましょう。
総務省統計局「小売物価統計調査」によると、東京都区部における食材の価格は以下のように推移しています。

【卵(1パック・10個)】

2019年2月:221円
2024年2月:299円(約35%の値上がり)

【小麦粉(1袋・1キログラム)】

2019年2月:260円
2024年2月:344円(約32%の値上がり)

【食用油(1本・1000グラム)】

2019年2月:288円
2024年2月:459円(約59%の値上がり)

食用油は、5年前と比べておよそ60%の値上がりで、3つの中で最も値上がりしていることが分かりました。
また、卵や小麦粉も30%以上値上がりしていることから、家計に大きく影響を与えていることが予測できます。
 

価格高騰の要因

価格高騰には、原材料・エネルギーの高騰や円安などさまざまな要因が考えられます。
 
【卵】
生産者のコスト削減努力や国の補助金などで価格を保ってきた卵ですが、エサとなる飼料の値上がりとともに卵の販売価格も高くなっているのです。
 
また、鳥インフルエンザの流行による品薄も大きな要因といえるでしょう。
 
【小麦粉】
国内需要量のおよそ9割を輸入に頼っている小麦は、主な輸入国であるアメリカやカナダの不作の影響が大きな要因のひとつです。
高温・乾燥が原因の不作により、政府の買い付け価格が上がり販売価格に影響を及ぼしています。
さらに世界有数の小麦輸出国であるロシアやウクライナの情勢による影響も少なくありません。
 
【食用油】
大豆の主な産地であるブラジルの悪天候による収穫量の減少や、中国の経済活動再開による需要拡大、ひまわり油の輸出量が世界一のウクライナの情勢も相まって価格高騰につながっています。
 

価格高騰を感じる食材1位「卵」、2位「小麦・小麦製品」、3位「調味料・調味油」

今回参照した調査結果によると、価格高騰を感じる食材1位は「卵」、2位は「小麦・小麦製品」、3位は「調味料・調味油」でした。
さまざまなものの値上がりや社会情勢が食材の値上がりにつながり、「物価の優等生」と呼ばれていた卵にも価格高騰の波は押し寄せています。
安いときのまとめ買いや食材の使い切りを意識することで食費を抑えることができるでしょう。
 

出典

TOA株式会社 スーパーでの買い物に関する調査 (PR TIMES)
総務省統計局 政府統計の総合窓口(e−Stat) 小売物価統計調査(動向編) 2024年2月 表番号2 主要品目の東京都区部小売価格【2023年2月〜2024年2月】「1001うるち米(単一原料米、「コシヒカリ」)」〜「2183学校給食(中学校)」
総務省統計局 政府統計の総合窓口(e−Stat) 小売物価統計調査(動向編) 2019年2月 表番号2 主要品目の東京都区部小売価格【2018年2月〜2019年2月】「1001うるち米(単一原料米、「コシヒカリ」)」〜「2183 学校給食(中学校)」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー