なんらかの理由で仕事を休んだ場合、お詫びとして菓子折りを持っていく風習が社会には根付いています。確かに旅行や帰省で「お休みをいただきありがとうございました」とお土産を渡すのは、ありふれた光景といえるでしょう。しかし、病欠の場合はどうなのでしょうか。   今回は、病欠でお詫びがいるかどうかについて解説します。

病欠のお詫びの菓子折りは必須ではない

病欠による菓子折りの差し入れは、マナーといいにくいでしょう。原因にもよりますが、インフルエンザのように不可抗力な病欠なら、原則として休んだ側に責任はありません。
 
自己都合で望んで休みを取った場合は、お詫びや感謝の菓子折りを持っていくのがマナーとされています。実際のところは社風にもよりますが、長めに休暇を取得した際は菓子折りを用意しておくのが無難です。
 
そのためお詫びや菓子折りは、原因が自分にあるかや不可抗力かどうかで判断するとよいでしょう。その代わり、お詫びの言葉はあったほうが無難です。
 

原因が自分にある場合

原因が自分にある病欠は、菓子折りを持っていくのがマナーといえます。例えば、二日酔いで体調を崩したり、危険とわかっている場所に自ら入ってけがしたりした場合には、病欠の原因は自分にあります。
 
自己責任による病欠の場合には、職場への迷惑も自分に責任があるため、お詫びは必要といえるでしょう。
 

不可抗力な休みである場合

インフルエンザだけでなく、病欠の場合は菓子折りまで用意しなくてよいでしょう。ただし、自分が休んでいる間の仕事をほかの人がやってくれていた場合はひと言お礼やお詫びを伝えるのが無難です。
 

お詫びに買う菓子折りの相場

お詫びの菓子折りを持っていくために、菓子折りの相場やおすすめの菓子折りの種類を紹介します。とはいえ何を選ぶかは、職場の人数や関係性にあわせて選びましょう。
 

3000円

インフルエンザや風邪などで数日〜1週間ほど病欠した場合は、3000円程度の予算で考えるとよいでしょう。選ぶお菓子は、マドレーヌやクッキーなど個別包装されているものがおすすめです。
 

5000円

数週間〜1ヶ月間ほど休んだ場合、数日休んだ場合よりも高めの菓子折りもおすすめです。品物としては個包装で日持ちするものとしつつ、百貨店などのものを選ぶと、気持ちも伝わりやすいでしょう。
 

病欠によるお詫びの強要はパワハラ?

職場からお詫びや菓子折りを強要された場合、条件によってはパワハラとみなされる可能性があります。厚生労働省が提唱するパワハラの定義は、以下の通りです。

●優越的な関係に基づいて(優位性を背景に)行われること
●業務の適正な範囲を超えて行われること
●身体的若しくは精神的な苦痛を与えること、又は就業環境を害すること

これら3点をすべて満たす場合、原則としてパワハラと認定されます。病欠による謝罪の強要がパワハラにあたるかは、パワハラの定義に該当するかで判断しましょう。
 
病欠の原因が自分にあり、上司の言葉も「謝っておいたほうがいいよ」程度の強さであれば、パワハラとみなされないかもしれません。このようなケースでは、上司の判断と助言は適切といえるでしょう。
 
一方不可抗力な病欠かつ大人数の前で謝罪を強要された場合、パワハラの定義3つすべてに抵触しているといえます。病欠した立場ゆえに言い出しにくい場合は、労働基準監督署に相談しましょう。
 

菓子折りは今後の関係を考慮して判断しよう

病欠による菓子折りは必須ではありませんが、あったほうが信頼関係の回復やお詫びの気持ちを伝えるうえで効果的です。これから長く勤める職場なら、人間関係を悪化させないためにも必要といえます。ただし、強い言葉で謝罪や菓子折りを強要してくる場合は、同僚や労働基準監督署に相談するとよいでしょう。
 

出典

厚生労働省 パワーハラスメントの定義について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー