「3日に1回バスタオルを交換する」という節約法を実践した場合、具体的にはどのくらい節約できるのでしょうか。洗濯で消費する電気代や水道代で節約した金額の算出、そして節約以外のメリット・デメリットをご紹介します。

バスタオルは3日に1回の交換で節約になる?

厚生労働省によれば、洗濯は1人あたり1回35リットルほどの水を使用します。また、一般社団法人日本電機工業会では、バスタオル1枚の容量が300グラム、洗濯機の容量が1人1.5キログラムを標準値としています。つまり、1回の洗濯で20%分の洗濯物をバスタオルが占めることがわかりました。
 
3日に1回の洗濯にした場合、1ヶ月30日とすると1050リットル使用していた水が1ヶ月910リットルほどに下がります。家で水道水を1リットル使ったときの料金はおよそ0.2円とされているため、140リットルで28円の節約になる計算結果です。
 

毎日の洗濯代と比較!実際の節約金額は?

縦型洗濯機とドラム式洗濯機でどれくらい違いがあるのか比較します。各洗濯機はパナソニックの標準的なモデルを参考に、定格洗濯時の水道代と電気代を使用します。全国家庭電気製品公正取引協議会によると現在の電力料金は31円/kWhです。
 
まず縦型洗濯機の場合、洗濯容量12キログラムで標準使用水量が約150リットル、消費電力量が約98Whです。つまり、1回あたりの水道代は約40円、電気代は約3.1円となります。3日に1回バスタオルを洗濯すると、水道代は約1200円が約1040円へ、電気代は約93円が約79円となります。トータルで1ヶ月約174円節約できました。
 
次にドラム式の場合、洗濯容量12キログラムで標準使用水量が約83リットル、消費電力量が約68Whです。この場合、1回あたりの水道代は約22円、電気代は約2.2円となります。3日に1回だけバスタオルを洗濯した場合、水道代は約660円が約572円へ、電気代は約66円が約57円となりました。トータルで1ヶ月約97円の節約です。
 
このように毎月少しずつですが、電気代と水道代が節約できることが分かりました。
 

節約以外に3日に1回交換するメリット

バスタオルの洗濯回数が減れば、水道代や電気代以外にもメリットがあります。1つ目は環境負荷の低減です。バスタオルを3日に1回の交換にすることで洗濯物が減り、まとめ洗いへと変更した場合を比較してみます。
 
資源エネルギー庁によると、定格容量(洗濯・脱水容量:6キログラム)の4割を入れて洗う場合と、8割を入れて洗濯回数を半分にした場合では、「原油換算1.48リットル、CO2削減量2.9キログラム」という結果がでました。
 
2つ目はゴミの軽減です。統計局によると、タオル類の購入頻度は半年に1回程度とされています。3日に1回の洗濯になればタオルの耐久性も高くなるため、半年から1.5年ほどへと頻度が減ることが予測されます。
 

バスタオルの衛生面

衛生微生物研究センターの調査によれば、使用直後のバスタオルには1枚あたり数十〜数百個の雑菌(主に使用者の体に由来する細菌)が付着します。3日間洗濯しなかった場合、細菌数は数万〜数億個に増加すると報告されています。
 
使用後のバスタオルには細菌だけでなく、細菌の栄養となる汗や垢なども付いています。そして水分など湿り気が残っているほど、どんどん菌数は増加します。実際には、3日間同じバスタオルを使って健康に影響が出た事例は報告されていません。しかし、皮膚に炎症がある場合など、体の状態によっては症状が悪化するなど影響が出る恐れがあります。
 
また、バスタオルも洗う回数が減ると細菌の増加により臭くなります。よって、特別な理由がない限り、バスタオルは使用したらすぐに洗濯するのがおすすめです。
 

節約はできるが毎日洗濯が理想

バスタオルを3日に1回の洗濯は、水道代や電気代をはじめとした節約につながっています。併せて洗剤の使用量や環境負荷への低減、買い替え頻度が減ることによるゴミの減量などさまざまなメリットがあります。
 
その一方、体を拭いたバスタオルには細菌が付着するため、3日間同じバスタオルの使用は衛生的にも心配です。メリット・デメリットをしっかり把握し、家庭にあった節約法を試してみましょう。
 

出典

厚生労働省 いま知りたい水道
水道まめちしき 仙台市水道局
一般社団法人日本電機工業会 洗濯機を選ぶ時のポイント
Panasonic ドラム式と縦型 電気代・水道代の違い
公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会 令和4年度 事業報告
資源エネルギー庁 洗濯機・掃除機 | 無理のない省エネ節約 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト
統計局 2020年基準消費者物価指数品目情報一覧
衛生微生物研究センター バスタオル、何回使って洗う?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー