10日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。



・日経平均は3日ぶりに反落、様子見ムード強く25日線手前でのもみ合い

・ドル・円は小動き、日銀政策にらみ

・値上り寄与トップは東エレク<8035>、同2位は信越化<4063>



■日経平均は3日ぶりに反落、様子見ムード強く25日線手前でのもみ合い



日経平均は3日ぶりに反落。前日比106.89円安(−0.27%)の39666.24円(出来高概算7億2000万株)で前場の取引を終えている。



9日の米国市場はまちまち。ダウ平均は9.13ドル安(−0.02%)の38883.67ドル、ナスダックは52.68ポイント高(+0.32%)の16306.64、S&P500は7.52ポイント高(+0.14%)の5209.91で取引を終了した。押し目買いに寄り付き後、上昇。その後、消費者物価指数(CPI)など重要インフレ指標の発表を控えた警戒感に売られ、相場は下落に転じた。ハイテクは半導体のエヌビディアの下落も重しとなったが、金利低下に連れ買い戻され、終盤にかけプラスに回復。ダウは下落を消せず、結局、相場はまちまちで終了した。



米国株が高安まちまちとなったなか、東京市場はやや売り優勢で取引を開始した。値がさ半導体株の下げに押されて、日経平均は前日比マイナスでスタートした後は下げ幅をやや縮小。25日移動平均線(39730円水準)手前でのもみ合いとなった。3月米CPIや、中東情勢の不透明感などが意識されて積極的な押し目買いは手控えられた。



日経平均採用銘柄では、ZOZO<3092>が引き続き売られたほか、IHI<7013>、荏原製作所<6361>、いすゞ自動車<7202>、三菱重<7011>がさえない。日経平均採用以外の銘柄では、イオンモール<8905>が、25年2月期連結営業利益見通しが前期比19%増の550億円になりそうだと発表。市場コンセンサスを下振れたことで売り優勢となった。また、イオンFS<8570>も25年2月期業績見通しや配当計画据え置きなどがネガティブ材料となり売られた。



一方、一部国内証券会社が目標価格を引き上げたことから日本製鋼所<5631>が上昇したほか、安川電機<6506>も引き続き買われた。このほか、東京ガス<9531>、東京電力ホールディングス<9501>、三井金<5706>、東海カーボン<5301>、トクヤマ<4043>、レーザーテック<6920>も上昇。



セクター別では、保険業、その他金融業、卸売業、機械、証券・商品先物取引業などが下落した一方、電気・ガス業、非鉄金属、化学、ガラス・土石製品、建設業などが上昇した。



前場のプライム市場の売買代金は、1兆9115億円と昨日に続き2兆円を割り込んでおり、本日も4兆円台を割り込む公算が大きい。後場も様子見ムードが強まることで日経平均は25日移動平均線手前でのもみ合いとなろう。ラマダン休暇明けの来週頭までは商い減少で方向感に乏しい展開が続くと想定する。



■ドル・円は小動き、日銀政策にらみ



10日午前の東京市場でドル・円は小動きとなり、151円68銭から151円78銭の狭いレンジ内でもみ合った。日銀は物価見通しの修正に関する報道が材料視され、円買いに方向に振れやすい。ただ、日銀総裁の緩和的な政策方針で、円買いは抑制されている。



ここまでの取引レンジは、ドル・円は151円68銭から151円78銭、ユーロ・円は164円65銭から164円82銭、ユーロ・ドルは1.0851ドルから1.0860ドル。



■後場のチェック銘柄



・イシン<143A>、ASJ<2351>など、7銘柄がストップ高



※一時ストップ高(気配値)を含みます



・値上り寄与トップは東エレク<8035>、同2位は信越化<4063>



■経済指標・要人発言



【経済指標】



・日・3月国内企業物価指数:前年比+0.8%(予想:+0.8%、2月:+0.7%←+0.6%)



【要人発言】



・植田日銀総裁

「当面は緩和的な金融環境が継続すると考えている」

「2%目標の持続・安定的な実現が見通せる状況に至った」

「基調的な物価が徐々に2%へ収束していく見通しを持っている」

「2%を大きく超えれば急激な利上げが必要となる可能性」



<国内>

・15:15 植田日銀総裁あいさつ(信託大会)



<海外>

・日米首脳会談