休場明け2日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比444.10ポイント(2.50%)高の18207.13ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が163.34ポイント(2.60%)高の6437.09ポイントと8日続伸。ハンセン指数は昨年10月12日以来、約6カ月半ぶりの高値水準を回復した。売買代金は1159億1180万香港ドルに縮小している(4月30日は1308億6040万香港ドル)。



中国経済対策の期待感が投資家心理を上向かせる流れ。中国共産党は4月30日の中央政治局会議で、スケジュールが不明だった第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)を7月に北京で開くことを決めた。3中全会は、中国共産党が中期的な経済政策などについて話し合う重要会議。通常ならば昨年11〜12月に開催される見通しだった。米長期金利の低下もプラス。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が年内利下げの可能性を排除しなかったことなどを受け、昨夜の米債券市場では米10年債利回りが低下に転じた。本土市場があす3日まで休場で様子見ムードが漂う中、朝方は上値が重かったものの、指数は上げ幅を徐々に広げている。ハンセン指数は今年1月22日の安値(14961.18)からの上昇率が20%を突破。テクニカル的に強気相場入りしたとの声が上がった。(亜州リサーチ編集部)



ハンセン指数の構成銘柄では、不動産管理サービスの碧桂園服務HD(6098/HK)が13.1%高、医療サービス企業の阿里健康信息技術(241/HK)が10.8%高、オンライン医療の京東健康(6618/HK)が10.7%高と上げが目立った。



セクター別では、中国の不動産が高い。上記した碧桂園服務のほか、万科企業(2202/HK)が10.8%、中国海外宏洋集団(81/HK)が10.7%、越秀地産(123/HK)が9.6%ずつ上昇した。不動産支援策の動きを材料視。中国では足元で、地方政府による住宅購入規制の緩和や不動産支援策が相次いでいる。北京市住宅都市農村建設委員会は4月30日、住宅購入制限措置を緩和すると発表した。中国指数研究院によると、2011年に導入された同措置が緩和されるのはこれが初めて。これより先には、成都、蘇州、長沙など複数の二線都市が住宅購入規制を全面撤廃した。また、深センなどで住宅の買い替えを促す「以旧換新」キャンペーンが実施されている。



新興EV(電気自動車)も急伸。蔚来集団(9866/HK)が20.7%高、浙江零ホウ科技(9863/HK)が15.1%高、小鵬汽車(9868/HK)が8.2%高で引けた。各社が報告した月次営業実績では、販売のプラス成長が確認されている。



マカオのカジノ関連もしっかり。新濠国際発展(200/HK)が7.3%高、美高梅中国HD(2282/HK)が4.8%高、金沙中国(1928/HK)が3.3%高、で取引を終えた。業績の改善期待が強まっている。マカオ政府は1日、今年4月の域内カジノ売上高が前年同月比で26.0%増加したと報告。プラス成長は16カ月連続だ。新濠国際発展については、スリランカのコングロマリットと提携し、現地でIR(統合型リゾート)プロジェクトを展開すると発表したことも好感されている。





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