遠藤、冨安も候補に挙がるも所属クラブの許諾は難しいか

 大岩剛監督率いるU-23日本代表は、U-23アジアカップ(杯)で決勝へ勝ち進み今夏のパリ五輪行きが決定した。注目される24歳以上のオーバーエイジ(OA)枠について、韓国メディアは「日本はワイルドカードを誰にするか悩んでいる」と関心を寄せている。

 パリ五輪予選も兼ねたU-23アジア杯で、決勝まで進んだ日本。大会2位以内が確定したため、五輪への出場権を手に入れた。一方の韓国は準々決勝でインドネシアにPK戦の末に敗戦。10大会連続での出場が懸かっていた五輪本大会行きを逃す形となっている。

 日本国内ではすでにOA枠の選考が焦点に上がるなか、韓国メディア「SPOTVnews」は「韓国サッカーができない悩み…。冨安?遠藤?日本はワイルドカードを誰にするか悩んでいる」と見出しを取り報じた。

 記事では「欧州リーグで活躍する選手の採用については、難航しているようだ」と、ヨーロッパのクラブに所属するA代表クラスの選手の招集が厳しい現状に触れている。

 イングランド1部プレミアリーグには、リバプールのMF遠藤航(A代表キャプテン)、アーセナルで守備全般をカバーするDF冨安健洋らが在籍。攻守の要としてOA枠の候補にも挙がるが、U-23年代の代表チームには選手招集の拘束力がないため、クラブ側から拒否される可能性が十分に考えられる。

「SPOTVnews」も「パリ五輪は7月に開催される。A代表の北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選は6月だ。事実上、所属クラブのプレシーズンに合流できなくなる点も踏まえ、欧州のクラブが五輪への招集に応じるかどうかも不透明だ」と指摘。「クラブが離脱を許すのは容易ではないだろう」と予想している。

 また「日本のファン世論も、彼らの招集に好意的ではない」と言及。「冨安と遠藤はいずれも今季、過密な試合日程を消化しており、休息が必要な状態だからだ」と、英国で過密日程を消化する2人の体力面の不安にも触れていた。

「残酷な試合内容の末に脱落した韓国は、もはやできなくなった悩み」と、OA枠に悩む日本の状況を伝えつつ「果たして日本はどのような判断を下すのか」と大会へ向けた隣国の動向に注目していた。

FOOTBALL ZONE編集部