町田がルヴァン杯1stラウンド3回戦で鹿島に2-0勝利

 青森山田高で日本一を目指して戦った選手と指導者が、ともにプロの世界で再会を果たした。5月22日に行われたルヴァンカップ1stラウンド3回戦のFC町田ゼルビアと鹿島アントラーズの一戦で、黒田剛監督と元日本代表MF柴崎岳がピッチ上で再会した。

 今シーズン、負傷に苦しんだ柴崎はこの試合が今季初出場。後半19分からピッチに立ち、試合終了のホイッスルが鳴るまで、自身のコンディションを確認しながら2点ビハインドのチームを立て直そうと奮闘した。一方、昨季町田をJ2初優勝に導いた黒田監督は、今季も快進撃を続けてJ1で首位に立つチームを指揮。この試合でも10人を入れ替えながら、2-0の勝利に導いた。

 試合後、柴崎とのプロの舞台で戦えたことを問われた黒田監督は「本人と会っていないので、タイミングが合えば、試合後に会いたいなと思っていたんですけど」と、言葉を交わせなかったことを残念がった。

 そして、黒田監督は「シーズンスタートから大きい怪我に悩まされて、やっとピッチに帰ってきたという瞬間だったと思います。そういう意味では、すごく思いを持って入ってくれたなっていうところもあります。まだゲーム感とかを、100%掴めているわけではないと思うんですけど、これから彼のサッカースキルがどんどん鹿島の中盤にフィットして、ますます鹿島の中心として活躍する選手だと思いますので。今日は少ない時間でしたけど、彼のプレーを目の前で見られたことは、すごく良かったなと思います」と、かつての愛弟子との再会を喜んだ。

 高校の3年間、自身を指導した黒田監督の率いるチームと対戦した感想を問われた柴崎は「忘れていたんですよね。結構、試合に集中していたので。そういえば、そうだったなという感じでした」と、黒田監督が率いるチームとの対戦だったことを意識していなかったことを明かしたが、町田の戦いに恩師のチームらしさも感じたと振り返る。

「あまり細かく町田のサッカーを見ているわけではありませんが、今いるJリーグの順位だったり、やっているサッカーだったりを見ると、監督の日々やっていることがちゃんとチームに影響しているんだなと見て取れるので、僕も負けずに頑張っていきたいなと思います。僕が一緒にやっていた頃とは、また違った哲学を持っているので。負けず嫌いなのは、負けず嫌いですけどね、昔から」と、細部こそ違えど、勝ちにこだわる姿勢は一貫していると説明した。

 今シーズン、町田と鹿島はすでに2度対戦しており、いずれも町田が1-0、2-0という結果に終わった。柴崎自身のコンディションも、より上がった状態で迎えられるはずの3度目の対戦時には、また2人の動向が注目されそうだ。

FOOTBALL ZONE編集部