最近SNSでもよく目にするようになった、【熟年離婚】の話題。
特に多いのが、子育てが一段落したときに別れるケースのようです。
でも、なかなか離婚に応じてもらえず、長引くこともあるようで……。
筆者の50代の知人女性から聞いた実体験談をどうぞ。

モラハラ夫に長年苦しんできた

私は夫のモラハラにずっと耐えてきました。

夫は俗に言う、昭和時代の頑固おやじ。

「家事も育児も女がやるものだ」
「女は家で夫を待っていればいい」
「男より女が出しゃばってはいけない」

こんな言葉が口癖で、何をやるにも夫の許可が要りました。

息子たちが生まれてからももちろん変わらず。

育児は私に丸投げ。
そのくせ文句ばかり言ってきて、何か息子たちが粗相をすれば、すべて私の責任になっていたのです。

子どものこともありなかなか離婚に踏み切れなかった

酷い対応を受けるうちに、私もいつしか夫への愛情はなくなり。

いつ離婚してもおかしくない状況でしたが、そうは簡単には決意できませんでした。

それは、愛する息子たちの存在があったから。

上の子を妊娠したとき、夫に半ば強制的に専業主婦になるよう勧められました。

それから働きたくても『女は家にいるもんだ』と夫は受け入れてくれず。

離婚して女手一つで育てていくのには不安がありました。

また、『私にとっては酷い夫でも、息子たちからすれば世界で1人の父親』という気持ちも拭えず。

息子たちは可愛くて仕方ありませんでしたが、とにかく夫のモラハラには耐える毎日でした。

子どもが成人し離婚したいと伝えるも……

月日は流れ、上の子は22歳、下の子も20歳と成人を迎えました。

2人とも社会人になり、家にはまた私と夫だけ。

「もうこれ以上夫との生活は耐えられない」
と思った私は意を決して、夫に離婚宣言をしたのです!

はじめはもちろん
「ふざけるな!」
と断固拒否の夫。

どうしようかと困っていたのですが……。

1週間後、突如
「これまで悪かった」
と夫から謝罪され、離婚を受け入れてくれたのです!

我が子が説得してくれた!

わけも分からず困惑していると、夫が『息子たちに叱られた』とポツポツ話し始めました。

「母さんは十分頑張った」
「俺たちがここまで成長したのも、母さんのおかげ」
「もう自由にしてあげてほしい」

先に息子たちに、離婚するつもりだと話していたからか、息子たちが夫を根気強く説得してくれたのです!

息子たちからの愛情に、夫からの初めてかもしれない謝罪に、思わず大号泣した私。

その後すぐに離婚成立。

夫とは熟年離婚となりましたが、別れてからの方が程よい距離感で仲良くなれました。

息子たちには今も感謝の気持ちでいっぱいです。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:一瀬あい