JR西日本の長谷川一明社長は5月24日に大阪府大阪市内の本社で開いた定例会見で、北陸新幹線敦賀以西について「小浜・京都ルートを強く希望している」と述べ、早期の認可・着工を国に求めた。石川県の一部などに求める声がある米原ルートに関しては「既に議論があって(小浜・京都)ルートが確定した。違うルートはもうない」と強調した。

 整備新幹線の認可の前提となる「着工5条件」には、営業主体のJRの同意が含まれている。敦賀以西のルートは、2016年にJR西が利便性や速達性に優れているとして小浜・京都を提案し、与党の検討委員会の議論を経て正式決定した。

 会見で長谷川社長は考えに変わりはないとし「ダイレクトに関西へつなげることで北陸新幹線の効果が発揮される」と指摘。環境影響評価の手続きを進めて詳細ルートを確定するとともに、早期に財源などの議論に入るよう求めた。

 米原ルートへの変更を求める一部の声については「敦賀開業から間断なく次の着工が行われないという、もどかしさから出てきているのではないか。早く小浜・京都ルートを実現しようという思いは、実は一緒だと思う」との見方を示した。