少し深刻な数字を紹介する。
福島県内の人口は、2024年4月1日時点で約175万人で、10年前と比較すると15万人ほど減少している。このうち、65歳以上の高齢者は3分の1を超えていて、この先2050年には県内の人口がさらに50万人ほど減少するという推計もある。
(※国立社会保障・人口問題研究所調べ)

さらに、4月に公表されたのが、自治体が「消滅する可能性」。
県内59市町村のうち、33の市町村が2050年にかけて子どもを産む世代の女性が半数以下となるとして「消滅する可能性」がある、と位置付けられた。
一方、「消滅可能性なし」とされている自治体でも様々な対策が行われている。

「赤べこ伝説発祥の地」、福島県柳津町。
赤べこ工房を営む伊藤千晴さんは、町の景色にほれこみ5年前に群馬県から移住してきた。
「(役場から)いいところ(空き家が)あったら改修の補助金とか使って、ぜひ活用してみてとおっしゃっていただいているので」と話す伊藤さん。空き家の改修費用など町で暮らすための支援が充実し「移住者の誘致」への町の気合を感じている。
伊藤さんは「都市部から別の居住を見つけたいと考えている人にも知ってもらう機会(があれば)、私みたいに町を好きになって移住してくれる人が増えると思うので」と話す。

人口約2900人の柳津町。10年前と比べ800人ほど減少したが、「消滅可能性のない」自治体の一つとされていて、福島県内では柳津町と磐梯町の2つの自治体だけが2050年までに「若年女性の割合が増加する」と予想されている。

「まぶしい!まぶしいね」
1月に男の子を出産した二瓶円香さん。
出産祝い金やチャイルドシート補助金、保育料の無料化と手厚い支援が、子育てを後押ししていると感じている。二瓶さんは「町の人たちも助けてくださったりしているので、子育てしやすい地域だなと感じています」と話す。

人を呼び込み、新しい命を支える。人口減少対策が急がれる。