Photo: 小原啓樹

「そこをわかってくれるのか!」って一台に、ついにめぐりあえたのです。

──ふぅ、今日も見つからなかったか…。理想のワイヤレスイヤホンはいつになったら見つかるのやら…。

Photo: 小原啓樹

申し遅れました。僕はiPhoneに最適なワイヤレスイヤホンを求めて、各地を放浪しているイヤホンハンターのヤマダです。今日も火のなか水のなか、そしてこんな藪のなかにまで入って、理想のサウンドを探し続けています。

世の中に音がいいイヤホンは数あれど、iPhoneで至高の音楽体験ができるイヤホンというと、探すのがとても難しくて。はあ、残念ながら今日も収穫はなし。やはり理想の音って簡単には見つかりませんねぇ…。

と、あきらめかけていたそのとき、森の中から僕を呼ぶ声が──。

「至高の音楽体験を探す者よ……そなたにこれを授けよう……」

なんだこの声は…! ま、まぶしい……ッ! (パァァァァアア……)

Photo: 小原啓樹

目を開けると、僕の手には一台のワイヤレスイヤホンが握られていました。

あの声は僕の脳内が生み出した幻覚なのか、はたまたイヤホン神からの恩寵なのか。いや、そんなことはこの際どっちでもいい。このイヤホンが本当に理想の音なのかを確かめるべく、僕は急いでイヤホンを耳に装着し、導かれるままにDenon Headphonesアプリでパーソナライズをした後、愛用のiPhoneから音楽を再生しました。

Photo: 小原啓樹

……あぁ、これだ。

僕が追い求めていたのは、この音だったんだ……!

その名は「Denon PerL」

Photo: 小原啓樹

僕が授かったワイヤレスイヤホン、それはデノン の「Denon PerL(デノン・パール)」でした。ホワイトとブラックの2カラーがありますが、ここでは新色のホワイトを中心に詳細を見ていきましょう。

Photo: 小原啓樹

写真を見る限りでは、やや大ぶりのイヤホンに見えるかもしれません。でもボリュームがあるのは耳の外に出る円盤状のパーツだけ。むしろこの円盤部が広いおかげで、タッチ操作のきく範囲が広く、デザイン的なアクセントにもなっています。

Photo: 小原啓樹

サウンド面でまず驚いたのは、低音の表現でした。低音に芯があるというか、ぼやっとしてないんですよ。普段はあまりヒップホップを聞かない僕も、「Denon PerL」を使うとヒップホップやダンスミュージックを楽しみたくなりますね。低音の強さはアプリから調整可能で、7段階に調整できます。

医療技術由来の、本気パーソナライズ

人の耳の形状は千差万別。当然、外耳の形状が異なれば音の聞こえ方も変わってきます。そのため、最近のワイヤレスイヤホンは装着者の耳の形状を測定して音質を変化させるパーソナライズ機能を搭載しているモデルが増えてきました。

「Denon PerL」のパーソナライズ機能は、医療技術を応用した、鼓膜のなかまで測定・解析する本気の技術であることが特徴です。その本気度の高さがよくわかる部品を、ズームアップしてご覧に入れましょう。

Photo: 小原啓樹

イヤホンのノズルのなかに見える、金色の小さくて四角い部品、これ実はマイクなんです。

「Denon PerL」のパーソナライズは、耳音響反射という現象を利用し、鼓膜の奥にある蝸牛という器官に音を当てて、返ってくる音をこのマイクで拾って測定・解析しています。そのため、「Denon PerL」は音を再生するドライバーよりもさらに手前に測定用のマイクが設置されているのです。

こんなところにマイクがあるというのは、それだけパーソナライズ測定に本気だという証拠。

良いイヤホンの条件は、良い音×良いフィット感

低音をはじめ、良質なサウンドを支えているのが、耳にピタッとハマるフィット感。

Photo: 小原啓樹

イヤホンの内側を見ると、半分に切ったドーナツのようなパーツの出っ張りが見えますよね。これはウイングアタッチメントと呼ばれるもので、装着時に耳の出っ張りに引っかかることでイヤホンの安定と音漏れ防止に貢献しています。写真のウイングアタッチメントは小さいサイズで、ユーザーの耳に合わせて大きいサイズへ交換するのもアリ。

イヤホンは正しく装着することで、狙ったとおりの正しい音が聞こえます。イヤーピースやウイングアタッチメントなどの工夫でフィット感がしっかりとした「Denon PerL」は、装着するたび同じ場所にハマってくれる感覚があるので「なんだかいつもと聴こえ方が違うなぁ」といった違和感を感じにくいのも特徴です。

良い音×良いフィット感=良いイヤホンの条件ってことですね。

パーソナライズされた自分の聴こえ方を、アプリで視覚的に見せてくれる

Screenshot: ヤマダユウス型

「Denon PerL」のパーソナライズ機能は、アプリから設定します。イヤホンを装着し、新規に「聴覚プロファイル」を作成すると測定が始まり、しばらくの間イヤホンから高い音や低い音が聴こえ続けます。

見た目にも面白いのが、パーソナライズ後は、どのように音質を変化させたのかが円のイメージでわかるようになっているところ。

Screenshot: ヤマダユウス型

左側がパーソナライズする前のニュートラルな状態で、右側がパーソナライズされたイメージ。聴覚プロファイルを見ると、そもそも右耳と左耳とでかたちが違いますね。「自分の耳は左右でこんなにも聴こえ方が違うのか!」と驚かされました。「Denon PerL」はこの聴こえ方をもとに、左右それぞれイコライジングをしてくれるのだとか。

そして、肝心のパーソナライズ後のサウンドですが、これはもう明らかに違う。

高音がより明瞭になったり、低音の鋭さが増したりと、よりリッチな聴こえ方に変化しました。手動でサウンド調整するのではなく、イヤホンが自動で高精度にイコライジングを調整してくれて、あとはお好きな音楽を自由に楽しむだけ。なんという贅沢なリスニング体験か。

この状態でさらに低音を持ち上げることもできるし、その日の気分で味付けをプラスできるのもいいですね。

絞り込まれたコーデックがiPhoneユーザーにとって◎

Photo: 小原啓樹

僕は冒頭で「iPhoneに最適なワイヤレスイヤホンを求めて」と言ってきました。どうしてiPhoneに限った話なのかというと、そこにはBluetoothのコーデックが関係しています。

対応コーデックはワイヤレスイヤホンの音質を判断する上で重要な要素とされています。たとえばLDACやaptX Adaptiveなどはハイレゾ音源に対応するコーデックとして有名ですね。でも、実はiPhoneはこれらの高音質コーデックには非対応なんです。

iPhoneが対応するコーデックは、SBCとAACの2種類のみ。

つまり、いくらイヤホン側が豊富な対応コーデックを持っていたとしても、iPhoneとペアリングしている限りは宝の持ち腐れになってしまう。iPhoneでの再生がメインの僕としては、イヤホン側に豊富なコーデックが用意されていても送り出す側のiPhoneが対応していないし、本音を言うとその分だけお値段をお安くしてほしいなんてことも思っちゃう…。

いっぽう、「Denon PerL」の対応コーデックは、シンプルにSBC、AAC、aptXの3種類。iPhoneにペアリングする場合はSBCとAACしか使わないから、むしろ必要最低限のシンプルなスペックともいえます。こういう割り切り、わかりやすくて好きです。

iPhoneユーザーが「本当」に求めるの、ここでしょう

高級ワイヤレスイヤホンには、玄人でも満足できるスペックが求められるからか、対応コーデックもアレコレと盛りだくさんになりがちです。ですが、iPhoneとペアリングするだけの場合、コーデックについてはあまり深く考える必要はないのが実情。

むしろ音質の追求に振ってくれたほうが、一般的なiPhoneユーザーにとって直接的な恩恵があるとも言えますね。こうした視点で見ていくと、「Denon PerL」のバランス感って本当に絶妙なんですよ。

ハードウェア面ではIPX4の防滴性能があり、バッテリーもイヤホン本体6時間、ケース18時間とロングスタミナで急速充電にも対応。アプリでカスタマイズできるタッチコントロールや、接続解除の操作を行わずに接続デバイスを切り替えられるBluetooth Quick Switchなど、音質やフィット感だけでなく、日常的な使い勝手の面でも満足いく仕上がり。

左右それぞれ2つのマイクを装備していることから、通話機能、ノイキャンと外音取り込みの質が高いのも、移動中での使用が多いiPhoneとペアリングしての利用シーンにマッチしていますね。

Photo: 小原啓樹

さて、僕も「Denon PerL」で音楽を楽しみながら帰路につこうと思います。こうして、長かったiPhoneに最適なイヤホン探しの旅は、ついに終りを迎えたのです──。

Source: Denon