文と写真●ユニット・コンパス

 電気自動車の時代が一気にやってくるかと思いきや、またハイブリッドに注目が集まっている。世の中はイチかゼロで簡単に割り切ることはできない。自動車業界にも多様性を受け入れる選択肢が必要で、そこに内燃機関と電気自動車のふたつの顔を持つハイブリッドの魅力がある。ランボルギーニ ウルスに加わったプラグイン・ハイブリッド・スーパーSUV「ウルス SE」もそのひとつだ。

V8エンジンにモーターを組み合わせたプラグインハイブリッド

 電動化は我慢ではなく、新しい価値を手にいれるひとつの進化だ。それが、 ランボルギーニ・ジャパン代表のダビデ・スフレコラ氏によるプレゼンテーションを聞いて思ったこと。

 ウルス SEに搭載されるのは4LV8ツインターボエンジンで、いわゆる「ダウンサイジング・エンジン」ではないという。そこへさらに強力なモーターを搭載したのだから、ウルスは内燃機関と電気駆動ふたつの心臓を搭載したようなクルマだと言えるだろう。

 その目的は、これまでのウルスが備えていた操る喜びはそのままに、さらなる動的性能の進化をとげながら、排出されるCO2を大幅に削減すること。システム合計の最高出力は800馬力! 0-100km/h加速は3.4秒で最高速度は312km/hというからまさしく申し分ない。いわゆるEV走行の航続距離は60km以上、最高速度は135km/h。日常的なシーンの多くを電気自動車のように走らせることが可能だ。

 さらに走行性能そのものも進化している。「ウルス SE」では、AWDシステムが強化され、前後のトルク配分は可変式に、さらにリヤ・アクスルにトルクベクタリング機構も加わった。簡単に説明すると、あらゆる路面状況に対応するロバスト性と同時に、コーナリング性能がさらに向上したことになる。

 今回の大掛かりな改良により「ウルス SE」は、スーパースポーツカーの性能と日常使いのSUVという二面生が、さらに高い次元で融合したことになる。

ランボルギーニ・ジャパン代表のダビデ・スフレコラ氏がウルスSEのプレゼンテーションを行なった

アップデートでさらに洗練されたコックピット

ランボルギーニ ウルス SE

 「ウルス SE」は従来モデルに対して内外装もアップデートを受けている。

 外装の特徴は新デザインのライト類やバンパーの造形、新デザインのアルミホイールがハイライト。一方のインテリアは、ダッシュボード全体を水平基調としながら、デジタル表示部分を拡大し、よりコックピット感を高めている。

 プラグイン・ハイブリッドシステムを搭載したことで、ドライバーが選択できるモードはさらに多彩になった。6種類のドライブモードに加えて4つの「EPS」と呼ばれる電動パワートレインのモードが加わり、あらゆるシーンに対応できるとランボルギーニは胸を張る。

ランボルギーニ ウルス SE

脱炭素への責任を果たしながら、スーパースポーツの道を駆け抜ける

 ランボルギーニは、2023年に発表したスーパースポーツカー「レヴエルト」で脱炭酸へ積極的に取り組む姿勢を表明。今回日本に初上陸した「ウルス SE」はその流れをさらに加速させるモデルとなる。プレゼンテーションでは、2024年ウラカンのプラグインハイブリッドモデルの投入についても言及された。ランボルギーニは今後、電動化によって脱炭酸を実現しながら、さらなるパフォーマンスを実現する新時代のスーパースポーツモデルを作り上げていくという。

ランボルギーニ ウルス SE
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著者:グーネットマガジン編集部