『STAR NAVIGATION 2024〜ONE NIGHT DREAM 2〜』後楽園ホール(2024年5月22日)
○石井智宏vsマサ北宮×

 NOAH北宮と新日本・石井が『ONE NIGHT DREAM』と銘打たれたNOAH後楽園大会でも場内沸騰の大熱闘を展開。石井が北宮をねじ伏せて雪辱を阻んだものの、北宮は「恥を忍んで頼む。もう一度だ!」と3度目激突を懇願した。

 団体、世代こそ違えど、小細工無用、漢(おとこ)の真っ向勝負が信条の両雄が、約半年ぶりにシングル再戦。新日本vsNOAH対抗戦を通じて北宮が石井の背中を追い続け、今年1・2有明アリーナ大会で実現した一騎打ちは、大会ベストバウトクラスの盛り上がりをみせた。

 約半年前は石井に軍配。宿願の石井超えを目指す北宮は、のっけからエルボーやタックル合戦で正面衝突を挑んだものの、受け止め続けた石井も平然と逆水平やエルボーで反撃だ。

 ゴツゴツした打撃音と歓声、北宮コールと石井コールが交錯して札止めとなった後楽園は熱気充満。ハイテンポのジャーマン合戦、北宮のニークラッシャー→監獄固め、抜けた石井の急角度バックドロップが決まるたびに歓声と拍手、コールが飛び交った。

 石井の雪崩式ブレーンバスターを浴びてもむっくりと北宮が立ち上がれば、即座にラリアットで正面衝突。競り勝った北宮が逆スライディング・ラリアットを叩き込むと、痛々しい頭突き合戦も制し、流血しながらパイルドライバーでグサリ。監獄固めでねじ伏せにかかる。

 必死に石井がロープをつかんでも、北宮は打撃戦を非情のナックルパートで制したものの、石井も追撃を阻んでの投げ捨てドラゴンスープレックスで譲らない。ラリアット、スライディング・ラリアットと畳みかけ、北宮が肩を上げたところで“重低音ストンピング"に包まれる。

 執念の北宮も続く垂直落下式ブレーンバスターは着地。逆にスピアーを連発して反撃し、石井が返したところで再び重低音ストンピング。サイトースープレックスを着地されても再びラリアットで石井をなぎ倒し、ついにサイトースープレックスで石井超えか…と思われた。

 だが、かろうじて押しつぶした石井は、起死回生のジャンピングハイキックで反撃。こん身のラリアットを叩き込むと、今度こその垂直落下式ブレーンバスターで突き刺して合唱とともに3カウントが数えられた。

 試合後は北宮のみならず、石井もリング上に大の字。死力を尽くした大熱闘に酔いしれた後楽園の観衆は両雄に惜しみない拍手と歓声を送った。

 今回も超えさせなかった石井は「勢いとがむしゃらさだけじゃ俺には勝てねえ」と断じたうえで、「諦めるわけねえよな。北宮、何度でもやってやるよ。何度でも挑んでこい。何度でもぶち当たってこい。そしたら、あいつの望み通り、しっかり砕いてやるよ」と男気をみせた。

 一方の北宮も「2度負けたヤツが図々しいかもしれないが、もう一度やらせろ、石井智宏! 恥を忍んで頼む。もう一度だ!」と再々戦を懇願。今度は聖地を沸騰に導いた熱湯間違い無しの両雄激突、その3度目も近そうだ。

【石井の話】「北宮、なに『今の俺は勢いがある』って? 勢いだけじゃ俺には勝てねえんだよ。勢いとがむしゃらさだけじゃ俺には勝てねえ。あいつがこんなんで挫けるわけねえよな。諦めるわけねえよな。北宮、何度でもやってやるよ。何度でも挑んでこい。何度でもぶち当たってこい。そしたら、あいつの望み通り、しっかり砕いてやるよ」

【北宮の話】「2度やって、2度負けた! 2度負けたヤツが図々しいかもしれないが、もう一度やらせろ、石井智宏! 俺は勝負に勝ちきれない俺じゃ前に進めねえんだよ! 恥を忍んで頼む。もう一度だ!」