日本人の細やかな気配りや親切心は、訪日外国人を驚かせます。それは、ドイツ人にとってなじみのあるお店でもその違いを感じるそう。インターンシップで日本へ来たドイツ人大学生がびっくりした場所とは、どこだったのでしょうか。

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選択肢が多い、日本の「バラエティの豊かさ」に感心

 ドイツ人大学生のダビッドさんは、インターンシップに参加するため昨年10月から日本に滞在しています。ドイツの大学には、インターンシップを単位として認める制度があるため、都内でフルタイム勤務をしているそうです。そして、週末の休みを利用していろいろな場所へ出かけたり、食事を楽しんだりと、日本の生活を満喫しているといいます。

 労働環境も文化も、日本で味わうことはすべてが新鮮で驚きの連続です。なかでもすごいと感じているのは、日本は何かにつけ選択肢が多いこと。

「何においてもバラエティが豊かだと感じますね。スーパーマーケットに行けば、見た目が良く、質が高く、そして味もいいものがズラッと並んでいます。それでいて、円安を差し引いても、ヨーロッパよりもずっと安いんです」

 たとえばベーカリーへ行くと、食パンやバゲットのような食事パンはもちろん、あんパンやメロンパンのような甘いパン、おかずが入った総菜パンまで何種類も並んでいます。

「ひとつの店舗で、味も種類も食感も異なるパンがたくさん並んでいます。あれはドイツにはありませんよ」

 カレーパンといったさまざまな独自のパンがある日本以上に、パンの種類が多いともいわれるドイツ。しかし、日本の選択肢の多さには及ばないようです。

「ドイツから日本に来るときは、何をお土産に持ってくればいいんだろう?」

 さらにダビッドさんは、日本のお土産文化も秀でていると感心します。

「日本はお土産とか、誰かへのちょっとした贈り物の種類もすごく豊富で、秀でていますよね。ラッピングやデコレーションも日本独特で美しいので、素敵なものがたくさん!」

 日本のラッピング技術の高さに驚く訪日外国人は少なくないそうです。確かに、個包装になっている商品も多く、デパートでお願いすれば瞬時に美しく包装してくれます。日本人は手先が器用な人が多いといわれるのも納得ですね。

 ダビッドさんは、今からドイツに帰国するときのお土産を決めているそう。それは「寄木細工のような日本の工芸品」です。神奈川県箱根町を代表する伝統工芸品「寄木細工」は、木を寄せ集めて作るのが特徴。樹木が持つ自然の色を生かした緻密な幾何学模様は、見る人を惹きつける美しさです。ダビッドさんは「それだけでも、日本のお土産がいかにすごいかわかると思うよ」といいます。

 一方、「次にドイツから日本に来るときは、何をお土産に持ってくればいいんだろう?」と頭を悩ませている様子です。日本に長く滞在したからこそわかる日本の良さ。伝統工芸品まで理解してもらえるとは、なんともうれしい限りですね。

Hint-Pot編集部