「魂のピアニスト」と呼ばれ、心を揺さぶる演奏で人気を集めたフジコ・ヘミングさんが2日、4月21日に亡くなったことが分かった。92歳だった。

 一般財団法人フジコ・ヘミング財団が「フジコ・ヘミング オフィシャルサイト」で訃報を伝えた。

 【ファンの皆様ならびに関係者の皆様へのご報告】と題し「フジコ・ヘミング(本名:ゲオルギー・ヘミング・イングリッド・フジコ)は2024年4月21日未明、92年の生涯を終え、永眠いたしましたことを謹んでご報告申し上げます。」と発表した。

 さらに「2023年11月に自宅で転倒した後、一日も早い復帰を目指し治療とリハビリに励み順調な経過をたどっていたところ2024年3月におこなった検査の結果すい臓がんと確定診断され療養を続けておりましたが、4月21日に容態が急変し、神の御許に旅立たれました」と公表した。

 続けて「葬儀はフジコ・ヘミング本人及び親族の遺志により、近親者のみですでに執り行い、とても美しく穏やかな表情での旅立ちでした」と明かし「診断後は、皆様に心配をかけたくないという本人の希望により公表は差し控えさせて頂いておりました。公演を楽しみにして頂いたファンの皆様、主催者様等には、多大なるご迷惑ご心配をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます」と伝えた。また、後日、「フジコ・ヘミングお別れの会」を検討していることを発表していた。

 フジコ・ヘミングさんは若き日に風邪が原因で一時聴力を失うなど苦難を経験した。1999年、NHKのドキュメンタリー番組で半生を取り上げられ、60代後半から人気ピアニストとして活躍するようになった。

 アルバム「奇蹟のカンパネラ」が大ヒット。リストやショパンの曲を愛し、国内外で精力的に演奏活動を重ねた。