女優の鈴木保奈美が7日、大阪市内で主演舞台「逃奔政走―嘘つきは政治家のはじまり?―」の取材会に出席した。

 鈴木演じる清廉潔白な女性知事が、様々なしがらみや理不尽なトラブルに巻き込まれ、現実に流されながらも自身の正義感と使命を取り戻していくコメディー。「シンプルに約2時間、夢中になって見て、笑っていただける作品に絶対なると思います」と自信をのぞかせた。一方でまだ台本があがっておらず「(脚本・演出の)冨坂(友)さんの頭の中にあると思います。今でもちょっと半信半疑というか、本当にやるのかなと思っていましたが、先日ポスターを撮りましたので、これは本当にやるんだなと実感しました」と笑った。

 今回演じるのは、女性知事がスキャンダルの火消しに七転八倒する役柄だが「私も正義感は強い方かなと思いますけれども、あまり裏付けがなく、言いっぱなしになるところじゃないでしょうか」と自身との共通点を挙げた。また、ウソを重ねてなんとか乗り切ろうとする部分については「ウソってつくのはとても大変なこと。かえって面倒なことになるのでつきたくないですね。もしかしたら自分に都合が悪くて忘れているだけかもしれませんが」と苦笑いした。

 今作が決定し、東京都議会も見学した。「小池都知事が40分くらい演説なさっていましたね。議会全体の雰囲気や、たたずまい、いろんな役職の方と、どういう距離感でやっているのかは(舞台に)反映できると思います」と、大いに参考になったよう。また、自身も三谷幸喜氏のフジテレビ系ドラマ「総理と呼ばないで」(1997年)で、総理役の田村正和さんの妻を演じており「冨坂さんが三谷さんを大好きな方で、わりとよく話題に出ますね。私の中でもあの作品に出られたことは大切な思い出です」と明かした。

 コメディー要素の強い今作に鈴木は「いろんな伏線を張ってありますから、2回、3回見に来ても面白いと思います」とアピールした。公演は東京・三越劇場で7月5日〜16日、京都・京都劇場で同20、21日に上演される。