東京ディズニーシー(TDS、千葉・浦安市)の新テーマポート「ファンタジースプリングス」が6月6日にグランドオープンする。ディズニー映画「アナと雪の女王」「塔の上のラプンツェル」「ピーター・パン」をテーマにした3つのエリアとホテルで構成される“魔法の泉が導くディズニーファンタジーの世界”。開幕まで26日あり、7日に行われたプレスプレビューをもとに3つのエリアを隔週で紹介します。まずは長い金髪が人気のプリンセス、ラプンツェルの世界へ―。

 TDS8番目の新テーマポートはアラビアンコーストの奥に出現した。魔法の泉(噴水)とディズニーキャラクターのロックワーク(岩石彫刻)があちこちにあり、入り口ではラプンツェル、アナ&エルサ、ピーターパンの岩が出迎えてくれる。以前は駐車場があった場所で、総開発面積は約14万平方メートル。構想10年、総投資額は約3200億円という01年のTDS開業以来最大の拡張エリアだ。

 岩のゲートをくぐると左側が「ピーターパンのネバーランド」、右奥が“アナ雪”の「フローズンキングダム」。「ラプンツェルの森」は右手前にあり、高さ約20メートルの塔が目を引く。米フロリダのウォルト・ディズニー・ワールドにある塔に憧れたファンも多いだろうが、これからは日本で見られる。そればかりか、窓からラプンツェルが顔を出して「自由への扉」を歌ってくれるのだ。昨年8月24日の工事現場取材で視察した塔にはなかったサプライズ演出だ。

 このシーンも含むアトラクション「ラプンツェルのランタンフェスティバル」は世界初(日本オリジナル)。ロマンチックなボートの旅(16人乗り)で、ラプンツェルがフリン・ライダーと恋に落ちる「今までで最高の日」までのストーリーが追体験できる(約5分)。無数のランタンが夜空に舞う中、「輝く未来」を2人で歌う感動のエンディングへ。酒場の荒くれ者たちが集うレストラン「スナグリーダックリング」もあり、「ダックリングドリームチーズバーガー」(950円)や「ラプンツェルのマジカルミルクティー」(800円)などオリジナルメニューが楽しめる。

 併設のTDSファンタジースプリングスホテルもラプンツェル推しで、デラックスタイプのファンタジーシャトーの客室にはラプンツェルの壁画があり、ベッドのヘッドボードに親友のパスカル(カメレオン)があしらわれている。ディズニーホテルの“ラプンツェル部屋”は10年前に東京ディズニーランドホテルに期間限定(14年1〜3月)で登場したが、今回は“魔法の泉”調にアレンジされ、バンビなど他のキャラクターと新たな世界観を形成している。

 ファンタジースプリングスへの入場は、TDSパスポート(大人8900円〜)に加えて、エリア内アトラクションのスタンバイパス(無料・先着順)かディズニー・プレミアムアクセス(各2000円)、または併設ホテルの宿泊証明書が必要。ホテルは予約可能な4か月先まで満室が続き、パスの争奪戦は必至。ラプンツェルが塔の中で夢を見続けたように根気強く「最高の日」を待ちたい。(酒井 隆之)