◆パ・リーグ ロッテ2―4ソフトバンク(23日・ZOZO)

 支配下選手登録1年生の「指3本分」が、ソフトバンクを朗希攻略へと導いた。「1番・中堅」で2度目のスタメンに抜てきされた川村だ。2―1の7回2死二塁。カウント3―1から高めの剛速球を左越え適時二塁打にした。「えっ、速っ!」。初回先頭で体感した159キロに目を丸くしたが「4打席目で打てて良かった」とニヤリ。家庭の事情で欠場した周東の代役を見事に務めた。

 殊勲の一撃は工夫のたまものだ。普段はグリップエンドから指1本分余らせてバットを握るが、朗希対策で普段より「3本分くらい」さらに短く持った。プロ初スタメンだった6日の楽天戦(楽天モバイル)でプロ初適時打を放ったラッキーボーイ。万全の準備が勝利の女神を振り向かせた。

 小久保監督も「1点欲しいところで打ってくれた」と、たたえた。一方で「流れが変わらなくて良かったとホッとしてるでしょう」と、4―2の9回無死二塁での送りバント失敗(捕ゴロ)も指摘。これには川村も「マジでヤバい。また練習します」と首をすくめた。とはいえ、朗希に今季初めて土をつける快勝で首位を維持。1勝2敗2分けだった先週の悪い流れも24歳が振り払った。(田中 昌宏)

 ◆川村 友斗(かわむら・ゆうと)1999年8月13日、北海道松前町出身。24歳。北海高2年時に夏の甲子園で2本塁打を放ち準優勝に貢献。仙台大3年時に仙台六大学秋季リーグで本塁打と打点の2冠王。2021年育成ドラフト2位でソフトバンク入り。昨年のファーム日本選手権でMVP。先月19日に緒方、仲田とともに支配下選手登録。今月4日のロッテ戦でプロ初出場。181センチ、88キロ。右投左打。