◆JERA セ・リーグ 巨人2―3中日(24日・東京ドーム)

 今年は試合の流れを感じるのが難しい。ロースコアの接戦が多く、一つのミスが命取りになる。この日も岸田の悪送球が決勝点になったが、攻めた結果だから仕方ない。やはり、課題は攻撃だ。流れを変えるホームランが欲しいところだが、8試合も出ていない。スタメンに一発を期待できる選手を選んでないのだから、打順の巡り合わせをもう一度考えないといけない。

 4番の前に、いかに走者を出すか。現段階では、1〜3番には足を使って小技も得意な選手で仕掛けたい。となると、元気のいいオコエに門脇、萩尾だろう。並びは阿部監督のやりたい野球に沿って変わってくると思うが、この3人で1点、もしくは三塁まで進めて岡本和に回したい。坂本はまだ、だましだましのバッティングで本調子には見えない。それでも5番にはいてもらいたい。6番に丸、7、8番に捕手と吉川ならば開幕オーダーに近づく。

 そのうち、打つべき人が打ち始めるだろう。やはり一発の魅力は一気に流れを変えられるところだ。先発の機会が減った大城卓の長打力は必要だし、2軍の秋広も早く上がってこないと忘れられてしまうよ。今は、とにかく我慢の時。12球団でナンバーワンの投手陣が元気なうちに、甘えるだけ甘え、攻撃陣は仕切り直せばいい。4回無死一、二塁でのバントミスなど、長打が出ない時は確実に決めなくてはいけない。

 もちろん、いい面も出ている。6回1死一、二塁で、二塁走者の中田をけん制でアウトにしたり、守り勝つためのプレーはできている。8回2死一塁では代走・重信が期待通りに二盗を決めた。各自が役割をこなす中、ホームランという大役を担う主軸次第で、状況は大きく変わってくる。それまで、何度も言うが、我慢だ。(スポーツ報知評論家・高橋 由伸)