けが人も復帰してきて、チーム内競争や選手の配置を含めた選択肢が増えてきた中、まだ課題はあるものの、勝ち点を取っていくことに対しての安定感は徐々に出来てきている。開幕直後は同じ時期に同じポジションで離脱者が出たりし、限られたメンバーの中でやっていかなければいけなかった。そうなると、どう1点を取ってどう守り切るかというのが現実的なプランになってしまっていた。それが徐々に負傷者も戻って選択肢が増えてきたことで、どこと戦っても何とかしのぐ術(すべ)は少しずつ付いてきた。ただ勝ち点3を安定的に取ることを考えると、まだ挙げられていない複数得点というのは次なる課題。今後はそこにトライしていかなければいけない。

 戦力強化へ、夏を見据えた補強に関しては既に当然、動いている。国内外で選手は見ているし、現在、クロアチアのディナモ・ザグレブに期限付き移籍している金子拓郎に関しても、考えの中にはある。先週、こちら側の代理人を現地に飛ばして、まずディナモがどういう考え方でいるのかなど、話をさせてもらっている。現在の契約では、このタイミングでディナモが買い取るか、札幌に戻ってくるかという選択肢しかない。ただディナモが中間を取って、もう1年、期間を延長してくれとかいう可能性はあると思っている。それらも踏まえた上で本人の意思を確認し、方向性を出したい。

 拓郎自身、札幌に帰って来たくない訳ではないが、引き続き挑戦したいという考えではいる。ディナモは今、シーズンを戦っているが、欧州チャンピオンズリーグに出られるのかとか、出られなくても予備予選に行けるのかとかはすごく気にしてると思うし、もし行けるのならそういう場で活躍したいというのは、本人も考えること。そうなると一気に残留という気持ちになっていくだろう。

 もちろん、クラブとして本人の意思を尊重するという姿勢は変わらない。ただ、それもみんなに説明できる範囲の条件であるならばの話。それが説明するのも難しいような条件なら、選手の意思がどうであれ戻すという選択肢になってくる。どちらにしても、5月には状況がはっきりすると思う。(株式会社コンサドーレ代表取締役GM 三上大勝)

 ◆三上大勝(みかみ・ひろかつ)1971年9月17日、室蘭市生まれ。52歳。室蘭大谷高、札幌大を経て、94年から2年間、当時JFLのNEC山形でプレー。ポジションはDF。99年に当時の札幌の運営会社「北海道FC」入社。00年から強化部スカウト。07年に強化部長、14年からGM。同年から一般社団法人コンサドーレ北海道スポーツクラブの代表理事も兼任。22年1月、コンサドーレの代表取締役GMに専任となった。

 株式会社コンサドーレは26日、定時株主総会を開き、2023年度決算(23年2月〜24年1月)を承認。純損失は4億1202万2000円で、6期連続のマイナスを計上した。

 広告パートナー企業数とグッズ売上高で過去最高を更新し、収入は昨年比約5億円増の41億1145万円。しかし、人件費や燃料費高騰の影響で試合運営経費が膨らんだほか、広告料原価、商品原価についても予算を上回る経費になり、赤字決算となった。純資産は約384万円。早ければ今期にも債務超過に陥る可能性がある。三上大勝代表取締役GM(52)は「何よりも利益率というものを1つ大切にしていきたい」と話した。