「邪道」大仁田厚(66)が29日、全日本プロレス時代の恩師・ジャイアント馬場さんの故郷・新潟で開催された「ジャイアント馬場没25年スペシャルトークショー」に日本最高齢現役レスラー・グレート小鹿(82)とともに登場。99年1月31日に大腸癌(上行結腸腺癌)の肝転移による肝不全のため61歳で亡くなった馬場さんへの思いを語った。

 大仁田にとって、馬場さんは16歳での全日入門以来、付き人1号として1日24時間付き添い、レスラーのイロハをたたき込まれた師匠。一方、前日28日に82歳になったばかりの小鹿も全日時代、大いにしごかれた大先輩。昨年、今年と2年連続で史上最高齢電流爆破マッチで相まみえた仲だ。

 まず大きな花束を持って入場した大仁田。続いて入場の小鹿に向け、「ハッピーバースデー・トゥー・ユー」と歌いながら花束を渡し、82歳の誕生日を祝った。

 トークショーでは、1974年4月の大仁田のレスラーデビューから5か月後に米国でカンフー・リーとして一世を風靡した小鹿が凱旋帰国し、全日に加入。ともに戦った日々について、大仁田が「プロレス雑誌で見ていたカンフー・リーが目の前にいて。試合が終わったら呼び出されて『おまえのドロップキック、しょっぱいな』って怒られたけど、俺は小鹿さんがドロップキックしたの見たことないんだよ」と笑わせれば、小鹿も「あの頃はものすごいかわいい兄(あん)ちゃんだったよね。なんでも『はい!』って返事して一生懸命で。馬場さんに『大仁田、俺のパンツ忘れたな』って言われて、『はい、すみません。今から取りに行きます』って、やり取りしていたのを覚えてるよ。本当に大仁田選手はよく忘れ物したなあ」と“反撃”。

 大仁田もこれに呼応して、馬場さんの現金3000万円の入ったバッグを宿泊ホテルに置き忘れたエピソードを明かした。

 馬場さんについて、小鹿が「アメリカから帰ってきた馬場さんのプロレスを初めて見た時、『動きのすべてが印象に残る人だなあ』と思った」と振り返れば、大仁田も「同感です。馬場さんはプロレスもすごいし、頭もスマートだった」と、うなづいた。

 さらに小鹿は「僕がアメリカから持ち帰ったオールズモビルに一時期、馬場さんが乗っていたんだけど、大田区体育館に行く途中だったかな? 馬場さんがお地蔵さんにぶつけて、おシャカにしちゃった」という秘話も披露していた。