◆イングランド・プレミアムリーグ ルートン1−1エバートン(3日・ルートン=ケニルワース・ロード)

 3日、英国ではプレミアリーグの第36節が1試合行われ、日本代表DF橋岡大樹(24)が所属するルートンはホームでエバートンと対戦。残り3試合となり、いよいよ後がなくなったルートンにとっては必勝の試合。勝ち点「1」差の17位ノッティンガム・フォレストの上に行き、暫定ながら降格圏を抜け出したい一戦。残念ながら橋岡はベンチ・スタートとなった。

 試合はどんなことをしても勝ち点が欲しいルートンがキックオフ直後から豊富な運動量で押し込み、攻勢に出る。ところが前半20分にエバートンに与えたコーナーキックで不運が起こった。

 ボールがクリアされて試合が続行されたが、少し遅れてVAR。モニターでルートンDFメンジがエバートンDFブランスウェイトをボックス内で引きずり倒したシーンがチェックされると、主審がPKスポットを指差した。このPKをキャルバート=ルーウィンがゴールのど真ん中に蹴る。左サイドに飛んだルートンGKカミンスキが必死に左足を残してわずかにボールに触ったが、結局は止められず、エバートンがラッキーな先制点を奪った。

 しかしルートンは同31分、FWアデバヨの見事なゴールで追いつく。MFロコンガからのロングボールを、エバートンのベテランDFヤングと競り合いながら胸トラップで足元に落とすと、すかさず左足を振り抜きゴール。1−1に追いつき、試合を振り出しに戻した。

 後半はルートンが完全に主導権を握った。前半は4本のシュートにとどまったが、後半は14本のシュートを放った。「6分」と表示されたアディショナルタイムの最後の3分間に3本のコーナー、1本のフリーキックを集めてエバートンを攻め立てたが、ついにゴールラインを割ることできず、1−1のまま試合が終了した。

 この結果、ルートンは貴重な勝ち点「1」を重ねて17位ノッティンガム・フォレストと勝ち点26で並んだが、得失点差で9点下回り、順位は18位のまま降格圏にとどまった。

 決勝点を狙ったエドワード監督が攻撃的選手を優先して投入する采配を見せたため、この試合は出番がなかった橋岡だが、試合後のクールダウンが終わると取材に応じ「今日は本当に負けなくて良かった」とチームの健闘をたたえると、「明日のノッティンガム・フォレストはシェフィールドUのアウェーですよね?」と逆取材。最後に「チームの雰囲気はいい」と語って最後の最後まであきらめない姿勢を見せると、来季のプレミアリーグ残留に執念を燃やしていた。