◆米大リーグ ドジャース8―2マーリンズ(7日・米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 由伸のストライク率は75%。驚異的な数字だ。一流と言われる投手でも、6割台でしょう。例えば、6連勝はお預けとなったカブスの今永。ナ・リーグ3、4月の月間最優秀新人に選ばれたが、4勝した4月の防御率は0.98で圧倒しつつ、ストライク率は(3月は登板なし)68.9%。由伸はこの日を含めた5月2登板で71.2%なので、どれだけすごいか明らかだ。

 さらに注目したいのは、マーリンズ打線の攻め方を感じ取って、戦略を変えたこと。相手は超積極的に打ってきた。初球に直球系の球がストライクゾーンに来れば、9割方振ってきた。

 これに対し、4回以降はカットボールとツーシームを投げ始めた。過去7試合でカットは全体の5.8%しか投げてこなかったが、この日は4回からの3イニングに限ると、36球中7球と19.4%も投げた。直球と似た軌道で微妙に曲がれば、打ち損じを誘える。実際に4回4番・ベルをカット1球で二ゴロに仕留めた。

 マ軍は目下ナ・リーグ東地区最下位で、点差も3回までに7点と開いたことから、長いイニングを投げるために試したいことに挑戦したのかもしれない。投げるごとに良くなっている。(野球評論家・高橋 尚成)