天皇杯サッカーの静岡県代表決定戦が12日、愛鷹多目的競技場で行われ、4年ぶりの切符を目指す常葉大が2年連続でJ3アスルクラロ沼津に挑む。

 「走力」で勝負する。2月に就任した津田恵太監督(37)の下で、常葉イレブンは脚力を鍛えてきた。とにかく走る。4対4やミニゲームの合間に持久走。筋トレも週2回に増えた。練習の最後には、ヘトヘトの状態でPK練習も欠かさない。「そんなときでも思ったコースに蹴れることが大事」と指揮官は説明した。

 きつい練習を重ねて、選手の意識も変わってきた。「1対1で負けない、ボールを奪う、などの強度が高くなってきた」とMF益田欧一主将(4年)は手応えを口にする。4月に開幕した東海リーグ1部でも、無失点で4連勝中。ハイプレスをかけて、高い位置で奪う。かわされても追いかける。スタミナを生かして粘り強く前に出る。「それがどこまで通用するか」と楽しみにしている。

 沼津には昨年、0―3で敗れた。元日本代表FWの川又堅碁と斎藤学を擁し、現在リーグ2位だ。「胸を借りるつもりでチャレンジしたい」と監督。常葉大がエンジン全開で90分を駆け回る。(里見 祐司)

 〇…トップ下を務めるのは静岡学園出身のテクニシャン清水和馬(3年)だ。J2熊本入りした昨年の先輩・古長谷千博から「次はお前が着けろ」と背番号10を託された。「去年の2倍は走っています」と普段の練習量に自信。「沼津さんには普通にやっても勝てない。1人を2人がかりで抑えてチャンスをつくりたい」と勝利のイメージをふくらませている。