創立90周年を迎えた巨人。巨人での出場試合が多い野手、投手を中心に記録にも記憶にも残る歴代の「偉人」を紹介します。第33回は亀井善行。

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 亀井善行と言えば、「命取られる弾」が有名だ。

 2017年6月18日のロッテ戦。1点を追う延長12回、前の打者マギーが3度目の敬遠をされて迎えた打席で逆転サヨナラ3ラン。号泣しながらベースを一周し「これでダメなら命を取られると思っていった」と名セリフを残した。

 1982年7月28日、奈良県出身。上宮太子ではエースとして甲子園出場。中大で野手に転向し、2004年ドラフト4巡目で入団。2年目の06年、開幕戦に8番・右翼で出場し3打数2安打、4打点と活躍。08年4月3日の中日戦では2番に入り1番・高橋由伸、3番・小笠原道大と3者連続本塁打をマーク。背番号が9となった09年は3本のサヨナラ本塁打を打ち、134試合に出場、初の規定打席に到達した。

 13年、義行から善行に改名。売り物の勝負強い打撃が買われ、15年7月7日のヤクルト戦では第84代の4番打者となった。

 20年7月9日には通算1000安打。37歳11か月、球団史上最年長での達成だった。21年3月26日のDeNA戦では、開幕戦史上初の代打サヨナラ本塁打を記録するなど、劇弾を数多く放った。