第73回全日本大学野球選手権(報知新聞社後援)は15日、神宮で準決勝2試合が行われる。初の4強進出で前回覇者・青学大(東都大学)に挑む天理大(阪神大学)は、休養日の14日、都内で調整。二塁打の大会最多5本にあと1本の4番・石飛智洋外野手(4年)=出雲西=は、決勝へと導く一打を誓った。早大(東京六大学)は東日本国際大(南東北大学)と対戦する。

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 石飛が前回覇者との一戦を前に覚悟を示した。天理大ナインは約2時間半、全体練習。4番は、昨年Vの経験者15人が残る青学大を「名前を聞いたことある選手ばかりで全員怖い」と苦笑いで警戒したが、「強いのは分かっている。挑戦者として立ち向かっていくしかない」と腹をくくった。

 打線は3戦22得点と好調。特に石飛は1回戦で本塁打を含む4安打4打点、2回戦で二塁打3本3打点で大会タイ7打席連続安打。準々決勝・帝京大(首都大学)戦は無安打だが、この日の打撃練習で体の開きを修正し「しっかり逆方向に打とうと意識して練習した。ここまで来たらマイナスイメージは持たずに打席をつくる」。92年に小田裕剛(立命大)が記録した二塁打の大会最多超えも視界に捉えた。

 「接戦に持ち込めたら一番いい」と三幣寛志監督(44)。石飛が試合を決める一打で06年優勝の大体大以来、阪神大学リーグ18年ぶり、チーム初の決勝進出へけん引する。(瀬川 楓花)