氣多神社(高岡市伏木一宮)の春季例大祭は18日、営まれた。市無形民俗文化財の「にらみ獅子」で、能登半島地震で大きな被害があった伏木地区のいち早い復興を祈願した。

 天皇の命を受けた奉幣使(ほうへいし)が祭事の供物を運ぶ儀式「奉幣使出立(しゅったつ)の儀」から始まり、雉子旗や五色の旗を持った氏子、にらみ獅子、奉幣使、神職、唐櫃などが社域の始まりを出発し、列をなして拝殿まで練った。

 にらみ獅子を運ぶ役に、獅子方の後継者となる地元中学生が初めて参加した。唐櫃には、奉賛会の事業をしたためた奉物を納めた。

 境内の越中総社跡を3周半巡る「神輿渡御(みこしとぎょ)の儀」のあと、氏子の一宮青年団と舘ケ丘青年団が伝統のにらみ獅子を奉納した。

 にらみ獅子は神前に向かって進み、厄払いになるとされる鋭い眼光を参拝者に向けた。伏木小の3、4年生49人が見物し、家が地震の被害を受けた吉井英都君(9)は「迫力があって元気が出た。伝統を未来につないでほしい」と語った。

 氣多神社は、地震の影響で灯籠の倒壊などがあったが、祭りの前に全て修復した。大江秀和宮司や北野健一奉賛会長、角田悠紀市長があいさつした。