第63回日本伝統工芸富山展が24日、高岡市美術館で開幕した。金工、漆芸、木竹工、陶芸、染織、人形、諸工芸の7部門で、磨き抜かれた技と現代の感性が光る125点が並んでいる。6月2日まで。

 最高賞の日本工芸会賞に選ばれた般若雄治さん(40)=高岡市=の金工作品「砂張花入(さはりはないれ)」をはじめ、日本工芸会富山支部会員や一般の入賞・入選作を展示。全国の重要無形文化財保持者(人間国宝)ら著名作家が賛助出品し、能登半島地震で被害を受けた石川県輪島市の漆芸作家も協力した。

 同会富山支部の林曉幹事長は「被災した中でも文化活動をきちんと続けていこうという意志が表れた展覧会になった」と話す。会場には、被災した工芸作家を支援するため募金箱を設置した。

 初日から多くの愛好者が訪れ、工芸の魅力を堪能。高岡ライオンズクラブ会員や高岡工芸高校生らが団体で鑑賞した。

 開会式では、日本工芸会富山支部の久和進支部長らがあいさつ。審査員を務めた輪島市の人間国宝、小森邦衛さん(漆芸)は講評で「伝統工芸の若い後継者を育て、技術と文化を大切にしていきたい」と述べた。

 日本工芸会、同会富山支部、高岡市美術館、北日本新聞社主催。月曜休館。
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