奈良時代の越中国司、大伴家持が神通川(古名・売比河(めひかわ))の鵜飼(うか)い漁を題材に和歌を詠んだとの故事にちなむイベント「第27回売比河鵜飼祭」が25日、富山市婦中町島本郷の田島川で開かれた。愛知県犬山市の鵜匠3人が古式にのっとった鵜飼い漁を実演し、大勢の来場者が幻想的な雰囲気を堪能した。

 地域を盛り上げようと、地元住民でつくる実行委員会(有澤守委員長)が毎年開催している。地元の鵜坂小6年生の「鵜坂さんさい踊り」で幕開けし、チアリーディングや吹奏楽演奏など多彩なステージが行われた。

 鵜匠による鵜飼い漁の実演は午後8時に開始。東海地方初の女性鵜匠、稲山琴美さんらが、かがり火に寄ってきたアユを鵜に捕らせる「川舟漁」と、川沿いを歩き鵜を操る「徒歩(かち)渡り漁」で見事な手縄(たなわ)さばきを見せた。地元の鵜坂鵜飼太鼓のメンバーが、勇壮な演奏で会場を盛り上げた。

 同祭実行委主催、鵜坂観光協会、北日本新聞社、とやまソフトセンター共催。
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