妊娠を意識し始めたら、妊娠に向けた準備をスタート。妊活に向けて、婦人科でできる検査をチェックしておきましょう。
「かゆみが出たりおりものに異常が表れたりするイメージの性感染症ですが、自覚症状がないものも少なくありません。性器クラミジア感染症や淋菌感染症は、放置すると卵子の通り道である卵管に広がって癒着や炎症を起こし、不妊の原因になることもあるので早めの治療が肝心。心当たりがある人は定期的にチェックしましょう」
【梅毒】
ここ10年間で急激に増えている梅毒。感染に気づかず妊娠すると、胎児がおなかの中で感染する先天性梅毒が発生する可能性がある。
【淋菌感染症】
放置すると不妊症の原因になる場合がある。妊婦が感染していると、出産時に赤ちゃんにうつって失明や関節炎を起こすこともある。
【性器クラミジア感染症】
感染しても半数の女性は無症状。放置すると不妊症の原因となる場合がある。赤ちゃんが感染すると結膜炎や肺炎になることが。
尿を送付してクラミジア、淋菌の検査ができる。助産師や薬剤師による無料オンライン相談も。スマルナチェック ¥5,500(ネクイノ)
腟分泌物を採取して送付。淋菌・クラミジア、カンジダ、トリコモナスが匿名で検査可能。陽性の場合、オンライン診療で治療までカバー。バレナイ性病検査 4項目 ¥7,040(エフメディカルエクイップメント)
「妊娠中に感染すると流産や早産のリスクが高まったり、胎児に先天的な障害が起こったりする感染症があります。妊活を始める前に抗体の有無を調べて、抗体価が低い場合はワクチンの接種を検討しましょう。妊娠中に生ワクチン(麻疹・風疹・ムンプス・水痘)の接種はできないので、接種後は2カ月の避妊が必要です」
【風疹】
妊婦が妊娠初期に感染すると、胎児が難聴、先天性心疾患、白内障を三大症状とする「先天性風疹症候群」になる危険性がある。
【麻疹(はしか)】
最近日本各地で報告されている麻疹は感染力が非常に強く、空気感染もする。妊婦が感染すると流産や死産を引き起こす可能性も。
【おたふく風邪】
風疹のように胎児に先天奇形が生じる心配はないものの、妊婦が妊娠初期に感染すると、流産のリスクが高まるので要注意。
「卵胞から分泌されるAMH(抗ミュラー管ホルモン)を血液検査で調べることで、卵巣に原子卵胞(卵子のもと)がどれくらい残っているかを推定できます。AMHの数値が低い=妊娠率が低いとは限りませんが、排卵できる卵が少ないと考えて、妊活のタイミングを早めるなどライフプランの検討ができます」
少量の血液を郵送して卵巣予備能を測定。canvas AMH Check ¥15,400(バイタログヘルス)
血中のAMH濃度と事前の質問票から、残りの卵子の量と不妊リスクの一部を見える化。検査後は看護師・助産師などによるオンラインカウンセリング(30分)付き。卵子検査キットEggU ¥31,900(ビーリーブ)
「東京都が公費助成を開始するなど話題の卵子凍結。若い年齢時の卵子があることは将来的な安心材料になりますが、妊娠・出産に伴うリスクは妊娠時の年齢相応。メリット、デメリットをよく整理して判断しましょう」
「健康な男女が避妊をせず性交をして、1年授からなければ不妊と定義されますが、加齢による妊娠率の低下を考えると、半年授からなければ不妊治療を検討しても。35歳以上の人、子宮内膜症がある人、AMHの値が低い人は半年を待たず治療をスタートしていいと思います。パートナーの精液の状態も同時にチェックしましょう」
スマホに取り付けた550倍のレンズで動く精子を観察。専用アプリ(iOS)を使い総運動精子数、精子濃度、運動率、精液量がわかる。テンガ メンズ ルーぺ ¥1,650(テンガヘルスケア)
スマホで撮影した精子の動画をアップ。培養士からウェブレポートが届く。Mite Care ¥5,980(天馬)
教えてくれたのは…高橋怜奈先生
産婦人科専門医・指導医、医学博士。医師として勤務しながら、YouTubeやXで医療情報の発信も積極的に行っている。