Google Pixelの廉価モデル「Pixel 8a」が5月14日に発売されました。廉価版とはいえ、SoCにはPixel 8と同じ最新のTensor G3を搭載。それでいて、価格は大幅に安い7万2600円(税込み、以下同)からとなっており、お買い得感が高い端末です。とはいえ、実際のところPixel 8と比べて何が違うのかは気になるところ。

 そこで本記事では、Pixel 8aとPixel 8、そしてPixel 7aを簡単に比較してみます。

 まずは外観から。Pixel 6以来の背面にカメラバーがあるスタイルはPixel 8aでも踏襲しています。本体サイズはPixel 7aとほぼ同等、Pixel 8と比べるとやや大き目です。ただ、Pixel 8aはPixel 7aやPixel 8と比べると角の丸みが大きくなっており、見た目の印象は大分違います。

 ディスプレイは、サイズこそ6.1型でPixel 7aと変わりませんが、Pixel 8シリーズに採用された「Actuaディスプレイ」を搭載。保護シートを貼り付けやすいフラットなデザインになっています。また、ピーク輝度も2000ニトと明るくなっており、屋外での視認性もアップしているはずです。リフレッシュレートもPixel 8と同じ60〜120Hzで、Pixel 7aの最大90Hzから大幅に向上しています。

 アウトカメラは、Pixel 7aと同じ64MP(F1.89)広角カメラと13MP(F2.2)超広角のデュアル仕様。ただ、スペック表を見ると、Pixel 7aにあった「デュアル ピクセル位相差検出式オートフォーカス」の表記がなくなっています。使用しているセンサー自体に変更はないと思うので、単に表記ルールが変わっただけではないかと思いますが、ひょっとすると何かしらの変更は入っているのかもしれません。※本件、詳細をGoogleに確認中です。

 ただ、カメラに関してはハードウェアよりもソフトウェアでの変更が大きなところ。SoCがPixel 8と同じGoogle Tensor G3になったことで、Pixel 8から導入された、いくつかのAI機能が利用可能となっています。

 カメラ関連では、グループ写真を撮影した際に、まばたきした人や目をそらしていた人などの表情を類似した写真と組み合わせることで、全員にとってベストな1枚を作り上げる「ベストテイク」や、動画の中から不要な音だけを消せる「音声消しゴムマジック」、写っている人物や物を拡大・縮小したり、位置を変更したりできる「編集マジック」などを利用できます。

 その他、Pixel 8とのハードウェア的な違いとしては、Pixel 8のマイクが3基なのに対して、Pixel 8aは2基。オーディオ的には空間オーディオにも非対応です。このあたりはPixel 7aから変更はありません。防水・防塵(じん)はIP67相当。こちらもPixel 7aから変更はなく、Pixel 8のIP68に若干劣ります。

 OSはAndroid 14を初期搭載。Pixel 8と同じく、OS、セキュリティ、Feature Drop のアップデートを7年間提供されることを保証しています。これに対して、Pixel 7aはOSアップデートが2026年まで(3年)、セキュリティアップデートが2028年まで(5年)でした。廉価モデルを7年使い続ける人は、そう多くはいないだろうとは思いますが、自分で2〜3年使った後に子ども用にするなどの使い方はしやすくなるでしょう。

 Pixel 7aから、ハードウェア的なアップデートはSoCが変わった程度であまり大きな変更はありません。このため、Pixel 7aから買い替えるほどではないと思いますが、Pixel 8譲りの強力なAI機能が気になるなら買い替えもありでしょう。これからPixelを購入するというのであれば、第一候補になります。

 予算的に余裕があり、少しでも小型端末が欲しいというのであれば、Pixel 8も候補になりますが、正直なところPixel 8 Proならともかく、これからPixel 8を購入するメリットはそれほどないと感じます。とはいえ、キャリアから購入するのであれば、端末返却必須の分割プランを使えば実質の支払額は大きくは変わりません。少しでも迷っているのであれば、Pixel 8を購入しておいた方が無難かもしれません。