NHK連続テレビ小説「虎に翼」(総合など)第5週「朝雨は女の腕まくり?」(第21〜25話)の第25話が3日、放送される。

日本初の女性弁護士で、のちに裁判官になった三淵嘉子さんの人生をもとにした物語を描く朝ドラ「虎に翼」。女優の伊藤沙莉が主人公の猪爪寅子役を演じる。主題歌「さよーならまたいつか!」を歌うのは、シンガー・ソングライターの米津玄師。語りを「カーネーション」(2011年度後期)で主演を務めた女優の尾野真千子が担当する。

「虎に翼」第5週「朝雨は女の腕まくり?」振り返り

現職の大臣を含む政財界の16人が摘発され、時の内閣が総辞職に追い込まれた「共亜事件」の贈賄容疑で、帝都銀行に勤める寅子の父、直言(岡部たかし)が、逮捕された。父の無実を信じる寅子は、母のはる(石田ゆり子)が毎日つけていた手帳と調書を照合し、直言の口から自白を強要された事実を聞き出したが、裁判では争わず、証言を覆すつもりはないと言った。

寅子は、自身を法律の世界へと導いた明律大法学部の教授で、直言の弁護人を引き受けてくれた穂高重親(小林薫)に相談。穂高は裁判で無罪を主張する方針を固め、寅子を共亜事件の被告の弁護を担当する弁護士たちに引き合わせた。「法は、強き者が弱き者を虐げるためのものじゃない。法は、正しい者を守るものだって私は信じたいんです」と訴える寅子に弁護人たちが共感。結束は固まったが、直言の態度は頑なだった。

寅子は、新聞への取材対応や、無罪を訴える署名活動など活発に動き回っていたが、ある時、街中で不審な2人組の男に襲われた。偶然居合わせた帝都新聞の記者、竹中次郎(高橋努)が男たちを追い払ってくれたことで寅子たちにケガはなかったが、竹中は「ガキが足突っ込んでいい事件じゃない」と警告。そのうえで、共亜事件の背景についての見立てを寅子たちに話した。事件は内閣を総辞職させたい連中、おそらくは検察畑出身の貴族院議員、水沼淳三郎(森次晃嗣)あたりが起こしたのだろうと語り、これ以上動くと命にかかわると言い聞かせた。

昭和11(1936)年1月、第一回公判が行われた。裁判長は判事の武井(平田広明)、その隣には、寅子が法律に興味を持ち、明律大受験が決まった場に偶然立ち会った裁判官、桂場等一郎(松山ケンイチ)がいた。入廷した直言は、開廷早々緊張とプレッシャーで倒れ、医務室へ。そこで初めて寅子が暴漢に襲われるほど深入りし、父の無罪を勝ち取るために奔走してくれていることを知った。しかし、検察の取り調べで味わった恐怖がトラウマになり、直言は、無罪を主張する決断ができない。そんな直言を、穂高は「君がどっちに転ぼうと任せてほしい。できる限りの仕事はする」と励ました。

体調が回復し法廷に戻った直言は、寅子の気持ちに応え、取り調べで自白を強要されたことを告白。検察での供述を覆し、無罪を主張する意思を示した。弁護団はさまざまな反証を提示し、それぞれの被告の無実を訴えたが、検察は自白を盾にことごとく証拠不十分と突っぱね、無罪を勝ち取ることは絶望的と思われた。そんななか、直言への審問のなかで自傷防止のために革手錠を使用したという検察の説明から、寅子は監獄法施行規則第四十九条を思い出して穂高に耳打ち。検察官の日和田(堀部圭亮)が取り調べ中、直言を自白に追い込むために不当に拘束し、被疑者の人権を蔑ろにしていた事実を暴き出したことがキッカケとなり、世間の風向きがガラリと変わった。

後日、裁判所に水沼が現れ、桂場に正義感を発揮するなと直々に圧力をかけたうえで、将来の出世を口約束した。

「虎に翼」第25話あらすじ

昭和11年12月。1年半に及んだ「共亜事件」がいよいよ結審の日を迎えた。寅子とはるが傍聴席から直言を見守り、法廷の外で、猪爪家に下宿しながら弁護士になることを目指す佐田優三(仲野太賀)や寅子の学友たちが待つなか、武井が判決を言い渡す。

判決後、穂高は桂場と酒を酌み交わし、判決文に込められた思いを絶賛する。