群馬県藤岡市出身で、ぐんま大使を務めるタレントの中山秀征さんは14日、自身初となるエッセー刊行を記念して来県した。高崎市と前橋市の書店5カ所を巡り、店頭のPOPを写真に収めたり、書店員や来店者と交流を深めたりした。県民に親しまれる「秀ちゃん」のサプライズ登場に、店内は一時騒然となり、偶然居合わせた買い物客たちもうれしそうに駆け寄った。

 エッセーは「いばらない生き方 テレビタレントの仕事術」(新潮社、5月発行)。雑誌「週刊新潮」で2022〜23年にかけて連載したコラムをまとめた1冊で、40年以上過ごしてきた芸能界での仕事を振り返っている。今だから話せる番組制作のエピソードなども明かしつつ、生き方のヒントを提示している。

 前橋市文京町の紀伊国屋書店前橋店では、店内入口近くや郷土コーナーなど4カ所に本を陳列。中山さんは近くに並んだ上毛かるたやぐんまちゃんの本なども手に取りながら「良いポジショニング」と笑った。

 サイン本を手にした前橋市の関口たか子さん(75)は「自分も藤岡市出身。庶民的だけど才能のある人。まさか会えるとは」と喜んだ。

 中山さんは「群馬からテレビに憧れて飛び込んでいった。各店舗で出迎えてくれるのを見ると、出身で良かった、ふるさとがあるから今があると改めて魅力を感じられる」と述べた。