キャンプが楽しいシーズンになりましたね。

 近年は空前のキャンブームと言われています。アウトドアは苦手だけど、パートナーから誘われてキャンプを初経験したという人も多いんだとか。

 今回は、初めてキャンプデートをした女性からエピソードを聞きました。

付き合って3ヶ月の彼の趣味はキャンプ

 写真はイメージです(以下、同じ) 都内在住の田中恵子さん(仮名・33歳)は、紹介で出会った彼と当時まだ交際3ヶ月。彼のことをもっと知りたいと、夢中だったそうです。

「彼は2つ年上の会社員でした。さっぱりとした塩系の顔と、優しい笑顔が素敵で彼のことをもっと知りたいとワクワクしていましたね。付き合って3ヶ月くらいって、最高に楽しいんですよね」

 そんな彼の趣味はキャンプでした。

「私はインドア派なんですよね。だから、その趣味に関しては一緒には楽しめないなって思っていました。私の趣味は映画や読書です。週末はできるだけ家でのんびりしたいタイプなので」

巷で噂の「グランピング」に興奮

 そんな彼からキャンプに誘われた恵子さん。戸外が苦手だと知っていた彼は「スタッフが設営してくれる豪華なテントだから大丈夫だよ」と恵子さんを誘ったそうです。

 キャンプでも設置されているテントがあるんだと初めて知った恵子さんは、“豪華な”という形容詞から、それがグランピングの事だと認識したそう。グランピングのワードは、なんとなく聞いたことがある程度で、うっすらと豪華で優雅に過ごせるイメージはあったといいます。

「すぐにグランピングについてネットで検索してみたんです。そうしたら、大きなテントにベッドがある施設がズラーっと出てきて。夜のライトも素敵に見えたし、雰囲気も良さそうなので、行ってみようかなって」

 キャンプと違ってグランピングはゆっくりできるんだと、恵子さんは期待に胸を膨らませながらデートの日を迎えたそう。



優雅なイメージで、おめかしして出発!

 そしていよいよ、グランピングの日。恵子さんは彼に褒められたことがある、真っ白なスカートにお気に入りのヒールサンダルを履いて行ったそうです。

「グランピングで優雅にワインを飲む姿を想像していました。リビングルームのように快適で、ベッドもあるだろうし、私は現地でのんびりできると思っていたので……。

 彼も『現地にすべて揃っているから、恵子ちゃんはきてくれるだけでいいからね』って言っていたんですよ」

 恵子さんは彼の車の助手席に座り、彼たわいの無い話をしながら現地に向かいます。

そこに置かれた小さなテント

グランピング ところが、到着したところは山奥のキャンプ場でした。

「さすがに、そこからグランピング施設に移動するものだと思っていたんです。そしたら、彼がそのキャンプ場の隅に車を停めて、『ここから歩いていくよ』って。車を降りると地面は湿った土で小石もたくさんあるし、すごく嫌な気分でした」

 そこから5分ほど歩いたところにあったのが、恵子さんの彼が予約したテントだったそう。

「彼が『ここかな』と言ったところが、普通の小さいテントだったの。あの時は、頭の中がフリーズしてしまいましたよ。え? まさか、嘘でしょう? って」

恵子さんが彼に、「ねえ、グランピングじゃないの?」と聞くと、「え? グランピング?」と驚いた顔をしたそう。



さらに最悪な展開に

キャンプ場の夜に明かりが灯されたテント「彼が予約したのは、グランピングではなくて、スタッフがテントを設置しただけで普通のキャンプと変わらないプランだったんです。私、そんなただのキャンプだと思っていなくて……。インドア派だからキャンプとか、お金をもらっても行きたくないのに」

 もう仕方がないから、スマホで映画でも観ようと開き直ったという恵子さん。

「そしたら、電波がないんですよ! スマホの電波がない場所なんて、ほんと信じられない」

 挙げ句の果てに、薄いテントだったので、夜は隣の声が丸聞こえで全く眠れなかったんだとか。恵子さんにとって、最悪の思い出になったそうです。帰宅してすぐに彼とはお別れしたんだとか。

「今度は自分と同じ、インドア派の彼を見つける」という恵子さん。彼も同じ気持ちかもしれませんね。

<取材・文/maki>