フォーミュラEに参戦する日産は、将来的に日本人ドライバーがシリーズに参戦することを「心待ちにしている」と語った。

 今年で10 年目を迎えた電動フォーミュラカーによる世界選手権”フォーミュラE”。3月30日(土)には東京E-Prix初開催を迎え、大きな注目が集まっている。

 日本メーカーとして現在唯一フォーミュラEに参戦する日産は、東京E-Prix開幕を前に2030年までシリーズ参戦を継続するという契約を締結。ヤマハもローラと技術提携を結び、シーズン11から参戦を開始する予定と発表した。

 日本とフォーミュラEの関係性が深まる一方で、聞こえてくるのは日本人ドライバーを求める声。長年東京でのレース開催を求めてきたフォーミュラEのジェフ・ドッズCEOや、2016年にGEN1マシンによるデモランを東京・丸の内で行なったルーカス・ディ・グラッシなども「日本人ドライバーが必要だ」と口にした。

 そして日本人フォーミュラEドライバーを待ち望んでいるのは、彼らだけではない。日産の日本マーケティング本部の増田泰久本部長もそのひとりだ。

 日本人フォーミュラEドライバーが誕生することの重要性について増田氏に尋ねると、彼は次のように答えた。

「まさにおっしゃる通りです。私も日本事業部を担当しており、なおかつ日本人として、日本人のフォーミュラEドライバーが誕生することを本当に心待ちにしています」

「おそらく日本のモータースポーツ、ひいては日本のクルマに携わる方々にとっても、それはすごく誇らしいことだと思います。すぐにという訳にはいかないかもしれませんが、そのチャンスや可能性があればいいなと考えています」

「そのあかつきには、弊社のコミュニケーションの中でも是非活躍していただいて、少しでも多くのお客様、もしくはこれからクルマに興味を持たれるお子様に、夢を与えるアイコニックな存在になってほしいと思います」

 これまでフォーミュラEには、元F1ドライバーでもある佐藤琢磨や小林可夢偉、山本左近がスポット参戦しただけであり、レギュラー参戦した日本人ドライバーは誰もいない。

 また最近では、日産ドライバーの高星明誠が2018年にフォーミュラEルーキーテストに参加。2019年と2020年にもテストに参加し、現在もGEN2マシンを使用したデモランイベントで度々ステアリングを握っている。