2024年シーズンのF1は序盤戦ながら、ストーブリーグの話題も既に盛り上がりを見せている。ルイス・ハミルトンが今季限りでメルセデスを離れ、来季からフェラーリに移籍することが既に発表されているということも、その大きな要因となっている。

 ハミルトンの後任については、様々なドライバーが候補として噂される。例えばハミルトンに押し出される形でフェラーリを離れるカルロス・サインツJr.や、メルセデスの秘蔵っ子であるアンドレア・キミ・アントネッリなどだ。そしてそれに加えて、2022年にF1を引退したセバスチャン・ベッテルが、メルセデスから電撃復帰を果たすのではないかという話まで挙がっている。

 そのため今季から4月開催となった第4戦日本GPの記者会見でも、メルセデスのドライバーラインアップに関する質問がいくつか飛んだ。そして今回来日したメルセデスのトト・ウルフ代表は会見の中で、ベッテルを真剣に来季のドライバー候補としてみなしているのかと尋ねられたが、これについて次のように答えた。

「セバスチャンは決して無視することのできない存在だ。彼がサーキットで残した功績は計り知れないものがある」

「時には(ベッテルのように)自分にとって何が重要かを再確認して、モチベーションを取り戻すような時間もあって良い。前にも言ったように、まだ決断は下していないし、数週間以内に決断するつもりもない」

「ドライバー市場が非常に流動的であることも分かっている。優秀なドライバーが何人か、他のチームと契約を結ぼうとしているところだ。我々は話し合いを続け、選択肢を広く持っておきたい」

「現時点では、若手ドライバーであろうと経験豊富なドライバーであろうと、特定のドライバーに確定するのは時期尚早だと思う。数ヵ月経てば、何か手がかりのようなものは与えられるだろう」

 さらに続けて質問されたウルフは、来季の新ドライバー候補は数人に絞られているのかという問いに対しては「イエス」と回答。しかしながら具体的な数は言えるかとの質問には「ノー」との回答だった。