F1中国GP決勝でRBのダニエル・リカルドは、アストンマーティンのランス・ストロールに追突されたことによりダメージを負いリタイアを強いられたものの、マシンには「速さを感じていた」という。

 リカルドは2024年シーズン厳しいスタートを切った。チームメイトの角田裕毅が激しい中団争いの中でポイントを持ち帰る中、リカルドは日本GPまでの4戦を無得点で終えた。

 しかし新シャシーを投入して臨んだ中国GPでリカルドは一味違った。スプリントイベントから本戦の予選、レースでも角田を先行。この週末のふたつのレースでポイントを争う走りを見せたのだ。

 ただ決勝では、レース中盤に出動したセーフティカーから再スタートに向けて隊列が組まれる中、ストロールがリカルドに追突。これが直接的な原因となり、リカルドはリタイアとなった。

 接触の原因を作ったとしてペナルティが科せられたストロールは裁定を「ジョーク」だと批判。リカルドは責任を取ろうとしないストロールに激怒していた。

 しかしリカルドは、週末の内容としてはポジティブなモノだったと考えている。

「ヨーヨーみたいなレースだった」とリカルドは振り返る。

「みんなが早めにピットインしたから、僕らは長めに走った」

「2回目のミディアムを履いたら、とても良くなった。まだ5〜6周しか走っていなかったけど、速く感じたよ」

「タイヤはまだかなり良かったし、トラックポジションを考えてステイアウトを選んだ。そして最後にソフトを履くつもりだった。とても良い位置にいたはずだったんだ」

「もちろん、(リタイアして)すぐに失望とフラストレーションを感じた。でも2日後には、この週末を振り返ることになる。間違いなく、いい週末だった」

「チームとして、今はお腹に一発食らったような気分だ。でも、それ以上にポジティブなこともある」

 中国GPに向けたシャシー交換が実際に功を奏したのか、それともプラシーボ効果なのかは分からないが、リカルドは少なくとも“何か”が変わったことで、より安心できるようになったと言う。

「走り始めから、より良い位置にいるように感じたし、全てがもう少しシームレスになった」とリカルドは説明した。

「僕らはシャシーを変えた。『間違いなくこれのおかげ』と早合点したくはないけど、前のシャシーでは何かしっくりこなかったんだ」

「5レース後にそう言えるようになりたいね。そうなれば、シーズンを間違いなく好転できた訳だし、苦境から逃れられたことになるからね」

「マイアミ、イモラ、その後の数戦でこの調子が続くかどうか見てみたい」