レッドブルを離脱することが明かされたエイドリアン・ニューウェイについて、ルイス・ハミルトン(メルセデス)は「F1で一緒に働きたい人物」のリストでトップに位置すると語った。

 多数のチャンピオンマシンを送り出してきたデザイナーとして著名なニューウェイ。彼は2025年の第1四半期を最後にレッドブルを離れる。それ以降についてはアナウンスされていないが、ライバルチームが彼の獲得を目指していることが分かっている。

 そしてニューウェイ獲得へと動いているチームのひとつがフェラーリだ。フェラーリは2025年にハミルトンを迎え入れるが、もしニューウェイも加入することになれば、それはハミルトンのフェラーリでのタイトル獲得に向けた大きな助けとなるはずだ。

 ハミルトン自身、ニューウェイとフェラーリで仕事ができればとてもエキサイティングだろうと語っていて、「F1で一緒に働きたい人物」のリストでトップに位置するという。なお彼はフェラーリ移籍交渉において、ニューウェイ獲得が含まれていたかどうかには口をつぐんでいる。

「それは非公開の話だからね。でも、もし“一緒に働きたい人リスト”があるとすると、彼(ニューウェイ)はそのトップに位置しているのは間違いないだろう」

 ハミルトンはそう語り、もしフェラーリが獲得できればさらにチームが最前線で進歩していく助けになるはずだと続けた。

「エイドリアン……彼には素晴らしい歴史とコース上の実績がある」

「言うまでもなく彼はキャリアを通じて、その知識をもってチームと共に素晴らしい仕事をしてきている。彼は(フェラーリ加入すれば)素晴らしい補強になるだろうと思うよ」

「僕は(フェラーリが)既に素晴らしいチームを築いているとも思っている。彼らは既に大きく進歩していて、その歩幅は大きい。今年のマシンはより速くなっている。彼と一緒に仕事ができれば光栄だよ」



 ニューウェイへのリスペクトを示すハミルトンだが、彼はキャリアを通じて一緒のチームで働いたことはない。もっとも両者が近づいたのは、2007年にハミルトンがマクラーレンに加入したときだ。この直前の2006年に、ニューウェイはレッドブルへと移籍している。

「僕がマクラーレンに加わったときが、彼のクルマの進化系だったと思う」とハミルトンは言う。

「彼が去ったすぐあとに僕が加わったから、マシンは彼が取り組んできたコンセプトから進化したものだった。彼が取り組んでいたモノに触れる機会をもてて、僕は光栄だった」

 なおニューウェイの離脱によってレッドブルが打撃を受けるのではないかという考えもある。ただハミルトンはあまりそうは思っていないようだ。

「舞台裏には多くの人達がいて、キーパーソンひとりだけではないということを、覚えておく必要がある」

「仕事をするのはチーム全体なんだ。だから彼がチームにもたらした素晴らしい経験の全てを通じて、彼と一緒に働いている人達が、素晴らしい仕事を続けるだろう」

「レッドブルが今後も素晴らしいクルマを作り続けることはないとは予想していない。でも、どのチームであれ彼と仕事をする機会を得られれば、それは幸運だろう」