昨年FIA F2でチャンピオンに輝き、今季はインパルからスーパーフォーミュラに参戦しているテオ・プルシェールが、アロー・マクラーレンのドライバーとして、インディ500を除く今季残りのインディカー・シリーズ全戦に参戦することになった。インディカーとスーパーフォーミュラは、今後複数のレースで開催スケジュールがバッティングしているため、プルシェールがスーパーフォーミュラへの参戦を続けるのは、事実上難しくなるものと思われる。

 アロー・マクラーレンは5月9日にプレスリリースを発表し、プルシェールを今週末に行なわれるインディ・グランプリで起用することを明らかにした。またこれと合わせて、インディ500を含む残りの全戦で、プルシェールがアロー・マクラーレンのマシンを走らせることになったことも発表された。なおインディ500で起用するドライバーはまだ未発表だ。

 アロー・マクラーレンは今季、6号車のドライバーとしてデビッド・マルーカスを起用する予定だった。しかしマルーカスは開幕戦から負傷欠場となり、その後チームから解雇されることとなった。

 その代役としてプルシェールはロングビーチ戦でインディカーデビューを果たすと、その後はバーバー・モータースポーツパークでのレースにも参戦。セントルイスで行なわれたオーバルコースでのテストも経験しており、マルーカスの後任最有力と目されていた。

「インディカー・シリーズは、モータースポーツの中でも最高のレースが繰り広げられている。自分の経験からもそう言えるよ」

 プルシェールはチームのプレスリリースにそうコメントを寄せた。

「今シーズン残りのレース、アロー・マクラーレンと共に挑戦できるのを楽しみにしている。これは特別なチャンスであり、レースの週末ごとにコースを走りながら学び、改善していくことに専念している」

「このチームでの最初の2レースは楽しかったし、僕らには多くの可能性があることも分かっている。もちろん、これを可能にしてくれたザク(ブラウン/マクラーレン・レーシングCEO)、ギャビン(ウォード/アロー・マクラーレンのチーム代表)、トニー(カナーン/スポーティング・ディレクター)、そしてザウバーF1チームに感謝したい」

 またアロー・マクラーレンのギャビン代表も次のように語り、プルシェールの加入を歓迎した。

「テオと共に働き続けられることを楽しみにしている。彼は物覚えが早いことが証明されており、インディカー・シリーズでのレースに慣れていくに連れ、彼のスキルセットと学習意欲が、彼の成長をサポートするものと信じている」

「これから成長を続け、6号車のチームと共に、その学びを結果に繋げることが重要なのだ」

 気になるのは、プルシェールのスーパーフォーミュラでの参戦計画がどうなるかだ。5月18日から19日にかけてオートポリスで行なわれる第2戦の週末は、インディカーのレースが予定されていないためスーパーフォーミュラに参戦することは可能。しかしその後第3戦SUGO(6/22〜23)、第4戦富士(7/20〜21)、第5戦もてぎ(8/24〜25)はいずれも当該週末にインディカーのレースが予定されているため、インディカーを優先することになれば、スーパーフォーミュラへの参戦は叶わないということになる。

 なおアロー・マクラーレンが発表したリリースの中では、スーパーフォーミュラへの参戦計画については特に言及されていない。