苦戦が続いているメルセデスは、今週末のエミリア・ロマーニャGPに今季最初のアップデート・パッケージを持ち込むが、大幅なステップアップにはもう少しかかると考えている。

 今季はレッドブルがリードをしているものの、フェラーリのカルロス・サインツJr.とマクラーレンのランド・ノリスが1勝ずつマークするなど、優勝争いはさらに激しくなっている。

 一方でそうした3チームを相手にしているメルセデスは、ダウンフォース不足と厄介なハンドリング特性を持つマシンから最大限のパフォーマンスを引き出すのに苦労している。

 メルセデスのW15はポテンシャルをフルに発揮するセッティングが難しく、シーズン序盤の6戦では様々な路面コンディションと気温により、ルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルにタイヤのスイートスポットを探るという頭痛の種をもたらした。

 そのためメルセデスは、フロアのアップデートをマイアミGPに前倒しし、エミリア・ロマーニャGPには今季最初のアップデート・パッケージを持ち込む。

 しかしチーム代表のトト・ウルフは、パフォーマンス向上のためのアップデート一式がコースに投入されるまでには”数レース”はかかるだろうと注意を促している。

「最初の6レースは一筋縄ではいかなかったが、改善すべき点を明確に理解し、それに取り組むための明確な道筋を作ることができた」

「これが実を結ぶまでにはまだ数レースかかるだろうが、可能な限り早く実を結ぶことができるよう、全員が懸命に取り組んでいる」

「その間に我々は今あるパッケージを最大限に活用することになるだろう。イモラにはさらにいくつかのアップデートを持ち込んでおり、それが我々を正しい方向に導いてくれることを期待している」

 ジェッダ、アルバート・パーク、鈴鹿といったサーキットで発生した問題はそれぞれ性質が異なるものの、メルセデスのトラックサイドエンジニアリングディレクターであるアンドリュー・ショブリンは、根本的な傾向から何を変えるべきかの方向性が見えてきたと語る。

「今、我々が開発を推し進めるべき方向性については、それなりに把握できていると思う」とショブリンと語った。

「どのサーキットでも同じ問題を抱えていたわけではない。ジェッダでは高速コーナーでのバウンドが多く、クルマはとても難しかったし、速さも足りなかった。それを修正していたんだ」

「メルボルンではリヤタイヤのデグラデーションが激しかった。鈴鹿に向けてはそれを解決できたと思うが、問題はひとつずつしか解決できないんだ」

「だが作業を進めると共に、パフォーマンスをコースに持ってこないといけないというのが事実だ」

「これからの数レースでは、ここ5、6レースで固定したスペックだったのとは対照的に、かなり健全なアップデートができるだろう」