今季抜群の安定感を維持していたトロントの左腕がまさかの綻びを見せた。

ブルージェイズの菊池雄星は現地5月26日(日本時間27日)、敵地コメリカパークでのタイガース戦に今季3勝目を期して先発登板するも、3回8安打5失点、奪三振なしで無念の早期降板となった。試合は乱打戦となり、ブルージェイズが11-14でサヨナラ負けを喫し、菊池には勝敗はつかなかった。

現地局『CBSスポーツ』は試合後、電子版に「キクチは打ち込まれるも勝敗つかず」と題した速報記事を掲載し、その中で、この日の左腕のパフォーマンスについて、「キクチはこの試合では打ち込まれ、スペンサー・トーケルソンにソロ本塁打を浴びるなど、4本の長打を許した」とごく簡単にまとめた。

その上で、「自責5点は、4試合連続で自責2以下としてきたキクチにとってシーズンワーストだった」とし、「それでも32歳は、日曜の登板を経て防御率3.25とソリッドな数字を維持しているが、この試合を0.74として迎えた被本塁打率は、彼のキャリア平均の1.56に通常化される形で悪化した」と伝えた。

現地スポーツニュースサイト『スポーツネット』は同日付で掲載した記事の冒頭で、「日曜は単純にユウセイ・キクチの日ではなかった」と前置きした上で、「日本人左腕は、昼下がりの先発登板で全て自責となる5点を献上し、わずか3回で降板となった」と伝えた。

記事では、このところ好投の報われなかった菊池について、「キクチにとってはタフな先発登板が続いており、直近5試合は0勝3敗で、2試合が勝敗つかずだった」としつつ、「また、彼はタイガースに対してあまり成功を収めておらず、キャリアを通じデトロイトに対しては4試合に先発し、1勝1敗、防御率4.71としている」と、タイガースとの相性が必ずしも良くないことについて触れた。

一方、地元紙『トロント・サン』は、同日付で電子版に掲載したレポート記事の中で、この日の菊池について「先発のユウセイ・キクチはシリーズ最終戦で、良い投球を見せなかった」と伝えた。

そして、「わずか3回で8安打5失点を喫したが、これはこれまでのところ、彼にとってシーズンワーストだった。空振りが少なく、直近4試合で平均して6奪三振余としてきた彼も、この試合の奪三振はゼロだった」とした。

ただし、記事では続けて「しかし、あまりに多くの安打(両軍合計31安打で、ジェイズは14安打)と、勢いのあるスイングに囲まれ、キクチの登板も些細な事柄に過ぎなくなった」と記している。